いつも懇意にしている鈑金塗装屋さんから一昨日に電話がありましてね、「シャチョー、助けてくださいよぉ。マセラティのグランカブリオっつークルマのドアノブをハズしたらマイクロスイッチのなんか小さな軸が折れちゃってて・・・くっ付きますかね?」「そりゃ現物見なけりゃ、なんとも判断出来ないナ。現物持ってきてよ。あ、壊れてない側の方も持って来てね。」・・・で昨日の夕方、現物が到着いたしました。
で、結論は・・・「くっ付くワケ、ねーダロ!」であ~る(泣笑)。
というワケで、とりあえず朝っぱらからの“無いアタマ”をヒネりつつの推察で、一定の結論は出せたように思いますが、マイクロスイッチの内部構造には、“接触仕様による分類”というモンがございまして3種あり、そのそれぞれを「a接点、b接点、c接点」と呼ぶのだそうです。コレすべて、オムロンさんの公式サイトでベンキョーしました(笑)。
a接点:操作時にONとなる接点の設計を持つモノ
b接点:操作時にOFFとなる接点の設計を持つモノ
c接点:未操作時に回路Xなら、操作時には回路Yとなる回路切替用
さらに、“極”と“投”という概念があり、1極単投形(単極単投形)とか1極双投形(単極双投形)、また2極単投形(双極単投形)とか2極双投形(双極双投形)などの云い回しで内部仕様を表現するんだそう。
“極(pole)”とは、1度の操作でスイッチが開閉できる回路数。
“投(throw)”とは接点数を表し、a、b接点は単投(single throw)、c接点は双投(double throw)とも呼ばれるそうです。
1極単投形:a接点あるいは、b接点の1回路を内蔵したスイッチ
1極双投形:c接点の1回路を内蔵したスイッチ
2極単投形:a接点あるいは、b接点2回路を内蔵したスイッチ
2極双投形:c接点2回路を内蔵したスイッチ
・・・ソレで、1aとか1cとか書いてあるんだ。ちなみにウチのには少なくとも“C282”の刻印が確認出来るので、1b(1極単投形でb接点の1回路を内蔵したスイッチ)であるものと推測しております。
・・・で、たった2時間で学んだ付け焼刃そのものの知識と、現品の観察と、図面との現品測定照合のみで臨んだ結果、必要とされるマイクロスイッチの代替品最有力候補は「オムロン D2HW-C282M(-AQ)」であり、手元に在る破損した現品は、本来c接点として作られたスイッチ本体に繋がるべき青い中間コードを省いてb接点として使用出来るようにしたモノに、フィアット系車用カプラーを装着してマセラティ専用品とされた亜種であると判定しました。あー、ややこし!
ところがコレ、国内在庫が無いらしく、色々と悩んだ挙句に米国に本拠のある専門商社から空輸(受注後4日)してもらうコトといたしました。品物代よりも、運賃の方がよっぽど高いというハメに(泣笑)。
それじゃー、また明日。
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すごいすごい、理系脳でない私には到底無理な探求ですが、オムロンの文字にホッとする気持ちはわかります、知らない外国で日本人に巡り会ったような気持ちかな~、国外でYAMAHAやHONDAのフォントを見ると勇気湧きます。
しゃちょー!
僕のクーペのマイクロスイッチも直してー!
お願いします。😂
それにしても国内在庫がない、ってどういうことなんすかね。
使うメーカーが買い占めちゃって出てこないということなのか、こげなパーツ、海外でしか需要がないということなのか。
まあでも、他にどゆとこに使われるべきパーツなのか、興味がわかないこともないこともないですが。
すごい、ずごすぎる。十万石饅頭(笑)。
たこちゃん、頭いいな~。
全くもって、頼りになります。
勉強になります(まったく頭に残りませんが)
とにかく、信頼の日本製でよかったけど、物が日本にはないと…
でも、そこはその筋のネットワークでどうにか空輸。
一件落着、素晴らしいです。
時々、お披露目されるマイクロデポ的ラヂヲ工作も凄いですが、今回のような超小型スイッチの構造の解析と解説は、お初にお目にかかります。
たこちゃん凄いです。
構造を公開してくれるメーカーさんも親切ですね。
アンドロイドスマホの調子が悪かったので、先般、ようやく買い替えました。
でも、最先端スマホでは無く後継機の4Gエクスペリアを選んでしまった進歩の無い齢五十のワタクシメ、この選択がGGIへの第一歩?
スマホの修理も、デポさんにお願いすればよかったのかも。
たこちゃんのあくなき探究心が、板金塗装屋さんの窮地を救う!素晴らしい。
こう言う記事を待ってます(笑)