アタリマエだが、日本のGGIは小さいクルマを欲す。

 ここのところも、様々な御要求を満たしたいGGIな(笑)お客さんのために、古今東西のクルマたちの中から車輛捜索業務を行わせて頂けますのは、自動車屋のワタシといたしましても望外の喜びとするところではありますが、なっかなかドンピシャのスペック車って無いモノなんですよねぇ。代表的なのが、都心部のタワーマンション住まいの方々に見受けられる「全幅180センチ以下」とか「最低地上高11センチ以上」などの条件付け。年々歳々クルマはどんどん巨大化してるし、かと云って、旧いスポーツカーなどでは地上高が低く過ぎたりするし・・・

 例えば、「MINIクラブマン」っつー名前を名乗るクルマが現在もございますね。デジタル大辞泉(小学館)に拠れば、MINIの意味するところは次のようなモノだそうです。

ミニ【mini】 の解説
[名]洋装で、コート・スカートなどが、ひざより短い丈であること。「ミニスカート」
[接頭]名詞、特に外来語に付くことが多い。
1 小さい、小型の、などの意を表す。「ミニカー」「ミニ計算機」

2 規模の小さい意を表す。「ミニコミ」「ミニ国家」

 ま、そもそもの車名の由来が、モーリスマイナーってクルマの小さいヤツだからモーリスミニマイナーって云ってたのが、ミニだけ独立して今に至る(そーとー掻い摘んでますが:笑)といった按配なので、“既に従来より存在しているモノや事象を小さくしたり短くしたり”というのが、MINI本来の語感ではなかろうかと思うのです。大体、当時はそれまで存在しなかった新語扱いだったのではなかろうかと存じます。

 ところがですね、平成20年車のMINIクラブマンが「全長393×全幅168×全高144(センチ)」であったのに対し、11年後の令和元年車では「全長427×全幅180×全高147(センチ)」まで肥大化してるんです。ワタシ、驚いちゃいました。「MINIクラブマンジャンボ(ドッチなんだぁ:笑)」くらいは名乗って欲しいモンです。

 あ、ちなみにジャンボってのも、確かゾウさんの名前から採られた新語だったと思います。一応、先のデジタル大辞泉で調べてみれば・・・

ジャンボ【jumbo】 の解説
[名・形動]

1 巨大なこと。巨大なさま。また、そういうもの。「ジャンボな景品」「ジャンボサイズ」

2 「ジャンボジェット」の略。

3 鑿岩 (さくがん) 機を載せた台車。特に、台車に取り付けた腕木の上に鑿岩機を載せた坑道掘進装置。ドリルジャンボ。

[補説]かつて英米で見世物になった巨象の名にちなむ。もとはスワヒリ語で「こんにちは」の意。

 ・・・あ、やっぱゾウさんですね、閑話休題。

 そんなMINIクラブマンの対抗馬として彗星の如くイタリアから現れたのが、「フィアット500X」ってクルマですが、コイツはそもそも500じゃない(1400CC)のに500を名乗っているダケでもオゾましい上、「全長425×全幅179×全高161(センチ)」もあるんだコレが!特に全高の161センチは許しがたい暴挙(笑)と云えましょう。この際「ピッコロデュカト」とでもすればいいのに。その親戚筋(叔父さんくらい?)に相当する現行のパンダは「全長365×全幅164×全高155(センチ)」って感じなので、コレに丸い目ん玉くっ付けて「500なんちゃら」とすればヨカッタのにと思います。

 そのムカシ、ワタシがコドモの頃には「3ナンバー(普通乗用車)」は、税率が極端に高かったので、ソートーなお金持ちで無ければ買わないし飼えないと信じられていました。ですから国産車の排気量は2000CCが実質的な上限(極く一部の例外は除く)だったし、全幅も最大170センチが基本線でした。ですから、大型高級車になればなるほど珍妙なホドに幅が狭く、全幅170センチの枠に嵌め込んで造形されたかのよう(クラウン・セドグロ・いすゞベレルなど、タクシー需要の多いクルマでは特に)でした。ソレが税率改正に拠って、全幅サイズが170センチを超えたために3ナンバーとなっても、それほど重課感の無い税額設定(排気量での差異は大きくなったケド:泣)となったのは御承知かと思います。先のパンダは現行税率でも紛うこと無き「5ナンバー(小型乗用車)」となりますが、500Xは、たった1400CCなのに「3ナンバー(普通乗用車)」が付いてしまうんです。税率改正前の時代に、外国からの輸入車で、幅で3ナンバーになっちゃうクルマは「マートラ・シムカ・バゲーラ」くらいしか思いつきません(笑)から、このボディサイズの肥大化傾向は、国際的な大問題だとワタシは憂慮しております。クルマは「小さく、軽く(車重・バネ下)、低く(車高・重心)」が絶対的な正義である・・・物理の法則に基づくワタシの信念は揺らぐコトがありません。最低地上高ダケはソレなりに確保してくれないと、タワーマンション在住顧客に納められないっす(泣笑)。

 世界の自動車メーカーが東アジアの大国しか見てない状況では、今後も肥大化傾向が止まるコトは無いでしょうね。世界のGGIたちが、旧車にしか目が行かなくなっているのも“ムベなるかな”かも知れません。

 それじゃー、また明日。

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10 Replies to “アタリマエだが、日本のGGIは小さいクルマを欲す。”

  1. 都内移動の道具として考えると、最近の車幅はキビシイものがありますね。
    所謂欧州Bセグメント車(VWポロ・C3・208・ルーテシアあたり)も軒並み3ナンバーですね。
    そうすると、たこちゃんおススメのデミオが実用的です。
    それ以上に軽トラも使い始めるとこんなに便利なものはありません!(笑)

  2. ↑まさにハイゼットジャンボ(笑)!
    軽トラはホントに痛快無比な乗り物だと思います。
    バンプラテイストのゴージャス軽トラって需要ありそうだけど、
    その逆に極限まで簡素化し軽量化したのもイイなと夢想しますヨ。

  3. まあ、自分も、500Xに行くくらいならレネゲードの方が清々しいかな、と思います。どっちにしてもそっちには行きませんが。
    仰る通り、車は同じ気持ち良さを提供してくれるなら、小さく低いほど正義、ですね。
    衝突安全性のために太ったとか言い訳したって、結局世の中、大きいけど気持ち悪い、という車ばかりですねえ。

  4. その昔、笑っていい◯もで、ゲストのサンコンさんが「アフリカで、こんにちは、はジャンボ」と言ったところ、司会のタモさんが「じゃあ、ジャンボ鶴田は、こんにちわ鶴田?」と尋ねたところ、「そうそう」と応えておられました。象の名前だったのですね。
    一方、ビトルボは現行型ミニよりもミニだったとは。
    ならば、ビトルボはマイクロミニだな・・・万吉、まさかマイクロミニを素肌に羽織ろうなぞ。。。

  5. 本当になぜ?という感じでモデルチェンジの度大型化、もう無理だと思います、見切りが悪く死角が増える為カメラやセンサーに頼り、ますます運転は下手になる、本当に人間が退化していく時代に遭遇したのかも。

  6. ちょっと前に昔のチンクチェントがシチリアの市街地を爆走する動画を見ました。ほんとに狭い路地を縦横無尽に走り回るのを見て、イタリアでこの車が支持されていたことにとても納得できました

  7. 昭和のクルマは、5ナンバーサイズでもしっかりしたデザインだったと思います。
    そして運転しやすい。
    全長418×全幅164センチのトラッドサニーを乗ってて思います。

  8. 小さな車は、小気味良く走っていいですね!
    アメリカ、チャイナでは、でけー車が人気ですが、アメリカは、小さな車に乗れない肥満な方が多いし。チャイナは、大きな車で誇示したい方が多いみたいだし、お国柄でしょうか?! 土地が余っていれば、道路も駐車場も広くとれますからね。

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