マセラティメラク、最初期型にドキドキ!

 大好きな御贔屓グルマを御案内する場合には、ワタシの方にもヘンにチカラが入ってしまうのですが、本日御紹介するヤツは、初めに写真が送られてきた段階で、「うぉ~!カッチョええー!!」とトシ甲斐も無くプルプルと悶絶しちゃいましたヨ。とにかくコリャたまらんマシン、とくと御覧あれ。もしも、ワタシにお金があったなら・・・(泣笑)。

見よ!この素晴らしく超絶な内外装の組み合わせを。思わずヨダレじゅる(笑)。
旧めかしい建造物になぜかマッチする、エキストラ・レトロモダーン?なフォルム。
ステアリングホイールは、どうにかオリジナルのシトロエンSM用に戻したいところ。
こんな美しいアヴォリオ革装は初めて見た。マジでパーソナルにヤバいかも(笑)。
エンジンルームの方も覗いてみましょう・・・
ああ、コレだよコレ!テンパータイヤでナンも見えんケド、キレイ。
上の画像をトリミングしてみました。往年のスーパーカーカードみたい(笑)。

 ↑たぶんワタシはマセラティ社が製造してきた古今のマシン群の中で、このメラクが一番好きなんだと思います。若い頃に乗ってたカムシンだって、今にして思えばソレはソレで良い体験であった(ソレどころか今ではスッカリ天上界銘柄なので、逆にカムシンでヨカッタわぁ)と思っておりますが、当時ホントに欲しかったのはメラクSSだったんです。しかしながら、製造当時の提携先であったシトロエンのハイドロシステムを持った非SSの初期・前期モデルであれば、幾らでも買える機会があったにも関わらず、ついに御縁なくここまで齢を重ねてしまいました。結局、「ハイドロはナニかと手が掛かる」という根も葉もないイメージだけに囚われて、大好きなメラクをついに手にするコトが出来なくなっちゃったワケです。ぶっちゃけ、以前の当ブログ記事にも書いたかと思いますが、もっともっとハイドロ固め(パワーセンタリングステアリング・パワーブレーキ・パワークラッチ・運転席のパワーシート上げ下げ・ヘッドライトのポップアップ)であったシトロエン提携時代のフラッグシップモデルたるカムシンは、常時LHMこそ洩ってた(毎週2本を西武自販に買いに行ってた)ものの、ソレが原因で走行不能や制動不良になったコトは一度もありませんでした。そう考えますと、クラッチには通常の油圧システムを持ち、LHM頼りなのはパワーブレーキとヘッドライトのポップアップのみ(E湖サン談)だと云うメラクの非SS車は断然輝いて見え始めるのです。かつて英国クルー工場で製造していたロールスロイスとベントレーは、わざわざシトロエンの特許にロイヤリティーを払ってまでLHMを高圧ポンプで常に圧送してブレーキサーボを得る方式を採用し続けました。どうしてか。経年劣化で避けがたいブレーキのマスターシリンダー抜けという、最もあってはならないトラブルを、その構造上回避出来るからなのではなかろうかと思うのです。但し、LHMは切らしちゃイケません。ですからトランク内には予備のボトルが装備されていたんです。自分のカムシンからの経験では、シトロエン式のパワーブレーキは軽い踏力で自由自在に制動力を制御出来るので、体力の衰えた今では寧ろ好ましいくらいに思えます。さらにワタシはメラクの走るオブジェ(ジウジアーロ作)としての部分に強く惹かれているので、ハイパワーであるSSを必ずしも求めてはいないのです。もっとも、中途半端なチューニングを受けたSS車よりも、完調な非SSの方が、よっぽど高性能なのでは、とも思います。さらにさらに、あの珍奇な(ホメ言葉:笑)コトでは古今東西最高レベルの市販車であるシトロエンSMと、心臓部のエンジンのみならず、ダッシュボードやステアリングホイールまで共用している初期型メラクは、現時点で考え得る(ワタシ的に)最高峰ではなかろうかと考えられるのです。結局、ミウラだって、SVより初期の無印やSが良く見えてきますし、カウンタックだってLP400が素晴らしい。ディーノも246より206・・・挙げればキリがありませんが、ナニごとも原初の姿こそ美しく尊いように思うのです。マシンの価値は早い遅いダケではありません。

 また兼ねてより、メラクは日本のカーメディアでヤレ遅いとか、内装の作りがチャチである(「ベニア板で作った箱に革が張ってあるダケ」なんてね。んなコト云ったら、80年代前半までのエキゾチックイタリアンスーパースポーツなんか、例外なく全部そんなモンですから。むしろソコが職人芸の見せどころで素晴らしいのにねぇ:泣笑)とか散々な書かれ方をしてまいりました。考えてみてください。メラクのボディは、その大半が4.7リッターV8エンジン搭載のボーラと同じようにデザインされていますよね、ソコだけでもすんごいお得(笑)だとワタシには思えるのですが、だから重くて遅いワケです。イイじゃありませんか、納得の行く合理的な理由がこんだけハッキリしてるんですから。

 マセラティの社史的には非公式ではありますが、シトロエン提携時代のある時期に社員の生活が護れたのは、ジウジアーロがボーラを叩き台として拵えたメラクのおかげであるというコトで、当時社員だった方々はジウジアーロとメラクに一方ならぬ想いを持ち続けているそうです。

 以下、カッコ内はたこちゃん注ですが、E湖師匠からの御託宣をば。

 「市場に売りモノとして出回っているメラクの多くはUS仕様で、面倒なバンパーが付いていたり、程度も悪いものが多いです。今、皆がキャブビトゥルボと同じくらいの情熱で探している(のだそうですヨ)のが、シトロエンSMダッシュボード付の最初期メラクです。初期型で問題となったのはエンジンのバルブテンショナーだけで、それは既に改良型に交換されているはずですから、初期型のデメリットはほとんどありません。LHMのパーツは(シトロエン)DSなどからの流用で、今だ充分な供給はありますし、巷のいい加減なハナシと違って、とても安全だと思います。ある方がLHM(仕様)をコンベンショナル(な在り方=SS仕立て)に変更しましたが軽く500万円くらいは掛けていました。さらに国内にあったものでシャーシの状態が悪くそのレストアで500万円以上・・・」なんだか、アト押しされちゃったみたいデスね。

 今度はワタシがアナタの背中を押しませうか?メールか御電話を!

 それじゃー、また明日。

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6 Replies to “マセラティメラク、最初期型にドキドキ!”

  1. たこちゃんの解説に力が入るのが分かります。
    本個体の写真、国内でなく海外に見えます。
    これは確かに興奮しますね。

  2. ホント、テンパータイヤで何も見えないですが
    そこにV6が収まって、さらにハイドロメカニズムがてんこ盛り
    ロマンですねぇ
    いまから思うと、マセラティとシトロエンが親子関係だった時期とか本当に信じられません。

  3. このメラクの内外装、本当に凄いですね。
    外装の造形美は、まはに芸術家の彫刻。
    そして、こんなお洒落なアヴォリオ革の内装が、この時代のメラクに載せられていただなのて。
    もはや、パワー云々を語るのは論外。
    最高にお洒落な内外装であります。

    あ、SMも好き、猟奇的な方じゃなくてシトロエンの方の。

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