セミレストアのココロ・・・水垢&泥ヨゴれとの格闘から

 今さっき、アパートに帰宅いたしまして、初めて新潟と山形を昨晩襲った大きな地震の報道をテレビのニュースで見る事となりました。被災された地域の方々には心からのお見舞いを申し上げるとともに、日頃からヒト事とは思わずに、まさかのコトも考えつつ、普段から行動すべきであるなと、あらためて身を引き締めるものです。

 それでも、ワタシの本分は、「適切な匙加減でクルマに施すアンチエイジング」により、マセラティをはじめとした旧車を安心して、存分にお楽しみ頂く事にこそあるのだと信じつつ、また明日の朝も「匍匐前進」のココロで立ち上がろうと思っております。とにかく、「頑張ろう、おー!」

 そんなワタシが考えてきたセミレストアという領分は、もっとも手間と時間が掛かる割に商売には成り難く、さらに一般的尺度に於きましてはその真価を愈々理解し難いので、なかなか世の中(中古車業界)に定着して来なかった在り方です。ソレはオーナー自らの手でヤルべきであるとの意見もあるコトでしょう。でも、マトモな社会人には、そんな時間や労力を費やしているヒマや体力(特にトシとってくると:泣笑)などあろうハズもありませんね。だからこそヤルのです、ワタシが。

 その一例。あえて複雑怪奇なマセラティではなくて、イタリア車で最もシンプルな部類に属するフィアットニューパンダ(「ひこうき班長」さんの4×4クライミングプラス)を題材に、セミレストアの基本は、徹底的な汚れ落としにあるところを御覧になって頂きます。すべて、高圧洗浄などの安易な方法に拠らず、あくまで手作業による「手入れ」を旨としています。大量の強力洗剤、弱目の溶剤、一本の歯ブラシ、夥しい枚数のマイクロファイバークロス、あとは2本の手腕と粘りダケが頼りです。

リアバンパーをハズしてその内部を見る。経年でこういったアレ方をします。
このニューパンダの場合は、リーンホースメント(バンパー骨格)までボディ同色。
経年したバンパーの裏側は、土埃と水垢で覆われています。コレはマシな部類。
清掃後のバンパー内部。マフラータイコ部の、特に上面中心に耐熱塗装しました。
溶接部分を覆うシーラーなど塗装の薄い部位には、純正色でタッチペンを入れました。
汚れを落とし切った後、リーンホースメントまでコーティング剤を塗布してあります。
リアゲートを閉めた時に、室内気を抜くための樹脂製通気口も、個別に仕上げました。
その樹脂製通気口には、樹脂製のカバーが被ります。汚れを除去して黒々と仕上げます。
一方で、フロントバンパーを取り付ける前には、ヘッドライトを先にイレないと・・・
オーナーさん御自身は、普段まず見る機会の無い表情(笑)をしたニューパンダ君です。
黒い樹脂製の一体型ラジエターコアサポートが、地味ながらスゴイ近代技術の粋ですね。
左下の白いタンクはウォッシャータンク。タンクに刺さった黒いのが同じくポンプです。
そもそも、フロントバルクヘッド内なんて、カバーを取ったらこんなコトに(泣)。
ソレが汚泥を除去して仕上げたら、御覧のように生まれ変わりました。すべて手仕上げ。
サブミナブル効果(笑)狙い・・・もう一度清掃前の状況に戻ります、スゴイでしょ。
・・・ソレが、あ~ら不思議。リ・ボーンが可能なのです。クルマの場合には。
ドレーン部分だって、御覧の通りに汚れを除去してあります。
汚れがゴッテリと堆積する、バルクヘッドの隅っこ。ここにも幾度も手を入れました。
テールランプAssyをハズすと、経年により、やっぱ、こんな感じに汚れていました。
ボンネット裏側も、初めはこのような状態からのスタート。経年水垢でのヒドい変退色。
もう一度バルクヘッド内に戻って・・・ドレーンホース(?)部分は埋まってます。
その助手席側。白い樹脂の部品はフロントバルクヘッドカバー留め具。全数破損(泣)。
左右のドレーンホースを取り出した状態。・・・言葉もありませんが、ツマってます。
テールランプAssyを取りハズしたあとに、その底部を見る。キツイ水垢汚れです。
ソレをキレイに除去し掛かった状態。魔法ではありません。ひたすらの手入れあるのみ。
完全に汚れを除去した左側テールランプの取り付け部分。
同じく、完全に汚れを除去した右側テールランプの取り付け部分。
取りハズしたテールランプAssyには、裏側まで清掃&コーティングを施しました。
清掃困難なテールゲート上部ヒンジ周りにも、徹底的な水垢落としは施されました。
斯くして、前後のバンパーを仮留めされたニューパンダ君、ローダーで塗装工場へ・・・

 ↑・・・如何でしょうか。見えない部分の隠れた汚れこそが、経年車をどのように磨き上げてもソコハカとなく漂ってくる“加齢臭(笑)”の原因であったり、見た目が今一つであったりの原因となり得る事実を御覧になって頂きたかったのです。そこまでヤリ抜いて、どうしても色を入れなければならない部分のみをプロの最高技術に拠って塗装してもらうというのが、ワタシの無いアタマで考えたセミレストアの手法です。

 このニューパンダの場合には、ルーフ前端部のブラックフィニッシュ部分に鳥フン由来と思われる塗装面のチョーキングがあり、前後のバンパーのボディ色部分とフロントグリルの両端ボディ色部分が退色しています。まさにソコだけを塗り直し、しばらくしてガラスコーティングを施せば、外装は隅々までパーフェクトに近い状態を呈するコトとなりましょう。人間だって、サッパリと薄化粧でキレイなのが一番でしょ(まぁ、ゴッテリ塗らないとダメな場合も多いが:笑)。だけど、まずその前に、お風呂に入ってシッカリ洗うと。だから、基本は清掃と洗浄なの。そして、何よりも素体選びデス(ココもニンゲンと一緒:笑)!

 それじゃー、また明日。

9 Replies to “セミレストアのココロ・・・水垢&泥ヨゴれとの格闘から”

  1. なるほど、仕上がり具合に納得。
    まるで新車みたいです。
    たこちゃんの惜しみない努力に感謝。

  2. >人間だって、サッパリと薄化粧でキレイなのが一番でしょ(まぁ、ゴッテリ塗らないとダメな場合も多いが:笑)。だけど、まずその前に、お風呂に入ってシッカリ洗うと。だから、基本は清掃と洗浄なの。そして、何よりも素体選びデス(ココもニンゲンと一緒:笑)

    この辺突っ込んだら晩飯抜きになりそうになりました・・・

    くわばらくわばら

  3. ギブリカップのエンジン音
    諸行無常の響きあり
    ロッソシャマルの外装色
    原理主義者のことわりをあらはす
    ・・・なんちゃって平家物語を紡ぐ、儚くも美しい、マイクロデポ物語、素敵!

    五七五or五七五七七ルール、どこ行った?
    許せよ、ワタクシメに課された困難なルールなもので。
    では、次回はルールに沿ったコメントに心掛ける次第。

  4. 粉々に
    ライトスイッチ砕け散り
    エポキシねりねり
    涙目ジグソー

    いやいや、デポさまのセミレストア作業がどれだけ大変なことか。
    そのうちのコンマ何パーセントかに過ぎないようなトラブルでも
    僕のような素人には涙、涙の修復作業で実感させられた次第です。(笑)

    本当はそのまま、デポに入庫させたほうが良かったのだと思いますが、
    家族の夜間送迎のためやむなく自家修復してしまいました。
    ごめんなさい。

  5. >大量の強力洗剤、弱目の溶剤、

    ここが肝のような、、、
    素人は普通の洗剤でどうにかしようとして諦めます。
    ま、その前にバンパー外してまで掃除できる人は稀です。

  6. まさに、『極上中古車を作る方法』(令和版)

    10年ほど前、ウチのコスモを40日がかりで仕上げました。
    何かに取り憑かれていたとしか思えません。今は無理!

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