マセラティギブリ最終型、何キロ走行車に見えます?

 まぁ、ニホンジンのお客さん方は、中古車を選ぶ場合には走行距離が少ない個体をお探しになるというのが常道なワケですが、淡々と整備調整を積み重ねつつ、順調に年間適正距離を走行し、粛々とオドメーターの数字を伸ばしてきていると云うのが、そもそも“マシン”である自動車自体にとりましては最もシアワセな状況と申し上げてよろしいかと存じます。んなコタぁ分かってるんだけども、ワタシも含めて、個体の総走行距離というのは少ないに越したコトは無いと云う中古車への評価が定着してしまっているのには、些かならず忸怩たる気持ちとなるモノです。本日は、そんな世情に一石を投ずる一台を御案内いたしましょう。

先週突如として関西圏より飛来いたしましたのが、御覧のマセラティギブリ最終型。
ブルースペチアーレのボディも艶やかなるままに・・・
マッシヴな角型ボディは、いつまでも色褪せぬガンディーニ・ルックです。
社外品ですが、既にステンレス管に換装されておりますので、サビも安心。
運転席には若干のヘタり感が見られますが、ソレ以外は上々です。
助手席のシートには、ほとんど使用感すらもありません。
後席も同様に、素晴らしいコンディションを維持しております。
タン革の内装で、この状態を維持するのは並大抵ではありません。
アルカンタラ天井の“オチ”は、経年を考慮すれば、ギリギリと云えます。
特筆すべき点のもう一つは、ウッドパネルのコンディションです。
経年によるヒビや退色などが、ほとんど見られないのです。
ウッドステアリングの色艶は良好。メータークラスターも形状を保っております。
撮影日はとても暑い日でしたが、エアコンの効きも充分OKでした。
驚く勿れ、この個体は10万キロを超えたところなのです!
エンジンルーム内の景観は、“自称3万キロ個体”など圧倒的に凌駕しております。
各部の配管なども艶やかで、ゴム類の劣化も少ないと思います。
ココで、ビシっと手を入れ直せば、さらなる信頼性も獲得出来ます。
ホイールは最終型マニュアルミッション用のモノに換装されています。
ボンネットには、美しい空の色がそのまま映り込んでおりました。
「走行距離の多寡は、そのまま個体の優劣とは関係なし」その見本のようなギブリです。

 ↑如何でしたか。特に“ガレージに温存しているダケ系(笑泣)”の方々には、実にこういった個体をベースにして“旧いマセラティ趣味”の深淵に浸って頂くのがお奨めなんです。この日本国内ですら、20万キロを超えたビトゥルボ系マセラティは、このギブリⅡやクアトロポルテⅣを中心に結構な台数が現存しております。そういった意味で、10万キロは折り返し地点にしか過ぎません。正しくエンジンにアタリが付いて絶好調となるのは、ホントはここからなんです(ソレを知る欧州車フリークの中には、敢えて過走行車を選ぶ向きもあるくらいです)。ただ本邦では、その前にその他諸々(内外装の荒れによる“見てくれ”の劣化やエアコン不良、足回りやエキゾーストの不調など)の大きな要修理項目に出くわして、突破出来ずに手放してしまうケースもまた多いので、「好コンディション過走行車」という熟成肉(笑)のような個体はメッタに出会えません。“ギリギリの美味しさ”、ガレージに置いてみては如何でしょう。当該車輛の詳細は「ワラシに電話してくらはい、どぞヨロシク」でございます。「ねぇ、ちょっと冒険してみない?(笑)」

 それじゃー、また明日。

9 Replies to “マセラティギブリ最終型、何キロ走行車に見えます?”

  1. 過走行
    でなく熟成
    なギブリは⁈

    確かに言われてみればそれが車にとっても良いことですが、ついつい乗らずに文鎮化させてしまいがちですね。

    1. 「練馬のH」さん、コメント速ヤっ!今日のワタシは、午前中も午後も出張なので、その合間、デポに戻って束の間のブログ更新ではありました。

  2. ホイールがギブリさんと同じだったので、おおGTか⁉と(個人的に)色めき立ったのですが、ホイールだけ換装したのでしたか。この際トランスミッションも換装して(この際五速でもよし)、あたりのついたエンジンをぶいぶいまわして走ったならば快感でありましょう。とはいえ、このままATで鷹揚にぶわぶわいくのもまたありでしょう。かっこいいなあ、ギブリさん。
    程度の良いものってなかなか恐れ多いというのもありますが、走行距離がそれなりにいっていると、ちょっととっつきやすい感もあり、このあたり実によろしいのではと。

  3. あらら、今日は早い投稿ですね。
    う~ん10万キロ、1万キロ未満の極乗車かと思いましたよ。
    そして、熟成肉という魅惑の響き、霊験あらたかに(?)

  4. とても魅力的なギブリⅡです。
    色ヨシ内装ヨシ程度ヨシ。
    10万キロはきっちり整備されていれば全く問題なしです。

  5. マセラティに興味を持った頃、理想のマセラティはブルーセラの外装色とアイボリーの内装色の組み合わせのギブリⅡでした。
    ですから、これがまさに、かつての憧れのマセラティなのです。
    超絶お洒落な内外装にシビれます。
    熟成肉とは、正に言い当て妙。
    その熟成肉を、素肌に羽織りたひ・・・いや、それをやっちゃったらヤバいっしょ。
    でも、このギブリさんは、とっても素敵です。
    いいなあ。

  6. 熟成肉での例え、とてもしっくり来ました〜
    私も94年式のブルーセラ/ベージュ内装の
    5MT 5万キロを持っているのですが、
    今年の春から、飛び石もいただいてないのにフロントガラス上部に亀裂が・・
    やっとの思いで2ヶ月前にドイツでリプロ品を見つけて購入するも・・
    未だに梱包費やら輸送費などがハッキリせず出荷待ちの状況の中で心折れかけていたところに、この10万kmギブリのコメントが・・とっても励みになりましたー!

    1. ↑皆さん、いつもコメントを有難うございました。
      また「ken1」さん、初めてのコメントを有難うございました。
      フロントガラス上部のキレツはルームミラーにアタマをブツけたり、ミラーのこじり方がマズいと出てしまいます。
      今は新コロの影響で、ホントに海外(特にEU諸国)からの品々が時間掛かります。ワタシも心が折れないように頑張りまっす!

  7. 先日、いよいよギブリのフロントガラスが
    到着、積載車でクルマも運んで、さあ!
    と、厳重に梱包された木箱を開梱したら・・形が・・違う!?
    のべ半年かけて手にした物は、クーペもしくは3200GTのフロントガラス!!
    仲介のセカイモンさんと色々とやり取りをさせて頂きましたが、こちらの確認不足もあったとして、結論としては・・・
    輸送費も含めてたら数十万円かかったにもかかわらず、返品、返金不可の結果に・・
    またギブリのガラス探しは振り出しになる
    し、今度こそ心が折れそうです。(泣)

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