1974年のサマークリスマス~伝説のアナウンサー、林美雄

 本日は、今にも雨が降り出しそうな曇天でしたが、どうにか夕方までは踏ん張ってくれて助かりました。で、ここのところ読書がマイブームでして、昨日読了したノンフィクション作品より、懐かしい感慨と、ある種の感動を得ましたので、今宵はそんなハナシを思いつくままに訥々と・・・。

今は亡き林美雄さんと云えば、その代名詞は、大昔にTBSラジオでやってた深夜番組である“パックインミュージック”。関東在住のワタシ世代だと、後の“夜とも(一慶・美雄の夜はともだち~ヨシ、イッケー!)”の方なら中学生でしたので、御愛聴(笑)してた方々も多かろうと思います。

 ↑1974年のワタシは小学五年生。もちろん深夜放送が始まる時刻(林美雄パックインミュージックの第一期は、よりによって、なんと超深夜の第二部の方=後の“歌うヘッドライト~コックピットのあなたへ~”の時間帯だったので、放送開始時間が午前三時!)には、起きてられるワケが無いのですが、その時分のワタシは小学校の放送委員会というのに、たまたま顧問だった担任のK岡先生に頼み込んでまで入れて貰ってまして、「(ダミ声なれど)将来はアナウンサーになりたいっ!」と密かに期しておりました。同じ委員会に参入したクラスメートのU田君が、ワタシが同君の家に遊びに行くたび、この林美雄パックを予約録音したカセットテープ(当時ラジカセを買って貰えなかったワタシにゃ出来なかった芸当:泣)をワタシに聴かせるのです。「ねっ?コレ面白いと思わない?下落合の詫び住まい、ヨシオ、ぶっぶ~なんて・・・苦労多かるローカルニュースとか、下落合本舗とか、ザ・ヒットしないパレードとか・・・」「んっ?んんっ??・・・(シュール過ぎて)よく分からん」って感じでした。彼が持ってたラジカセには、悔しいかなトランスミッター(FM飛ばし)機能までが装備されておりましたので、彼の家をキーステーション(笑)とした、ラジオディスクジョッキーごっこに興ずるためには、まずその前に、U田君の林美雄賛美を延々と聞くルーティンが必要とされたのでした。

TBSで同期の盟友、久米宏さんが帯書きをしているところからも、このノンフィクション作品の価値を感じられます。

 ↑そもそも、同期入社であった久米宏さんが、当時結核に倒れたため、その代役として林美雄さんがパックインミュージック登板となったとのコトです。現在、毎週土曜日の午後に放送中のTBSラジオ“久米宏のラジオなんですけど”という番組内に於いて、久米宏さんがこの本(1974年のサマークリスマス 林美雄とパックインミュージックの時代:柳澤 健著)と林美雄さんについて語った音声(音出ます、注意!)をYoutubeに見出しましたので、ご興味のある方は、ぜひお聞きになってください。

目次の章立てを眺めたダケで、興味深く面白そうだと分かりました。

 ↑映画「八月の濡れた砂」と、その主題歌(心に沁みます)を歌った石川セリを再評価させた。初めて出したレコードが300枚しか売れていなかったという荒井由実(のちの松任谷由実)の才能にいち早く着目、八王子の歌姫ユーミンと呼んで、盛んに賛美したとの逸話。無名時代のタモリを初めてラジオに引っ張ってきたのも彼・・・この本を読んで、単にアナウンサーとしてではなく、卓越したプロデュース能力と各界に構築した圧倒的な人脈でトコトン勝負した人生だったのだな、と。
 苦学して大学(早稲田の夜学)に通い、コドモの頃からアコガレ続けたアナウンサーにはようやくなれた。第一級のアナウンス技術を持ちながらも、その端正過ぎる話法は却って仇となり、ディスクジョッキー全盛時代のお友達感覚や隣の兄貴感覚からはホド遠く、なかなか人気を得る事が出来なかったこと。そして競輪と麻雀と缶ピースを何よりも愛したという・・・昭和というよりも、1970年代の空気感を見事に表現したノンフィクション作品でした。以前にも書きましたが、土曜日の昼間にTBSテレビ(関東ローカル枠)でやっていた“ハッスル銀座”の司会進行役も、そういえば(存在感がウスい:笑)林美雄さんでした。その番組の目玉コーナーは、まだまだブレイクする以前の、西田敏行さんと松崎しげるさんの行う即興演奏(テキトーな歌詞にテキトーな曲をつけて、それなりに聴けるレベルの歌を演奏する。寄席の紙切り芸の音楽版だと思ってください)でした。そんな二人を連れてきてテレビに出しちゃったのも林美雄さん。2年も経たぬうちに、御両人ともスーパースターとなったのは周知の事実。
 当時の林美雄さんを支えたヘビーリスナー軍団、荻窪大学の面々の青春群像劇をも絡めつつ、素晴らしい筆致で最後まで息をもつかせぬ勢いで読ませてくれます。往時を知る人々にとっては、タイムマシーンに乗った気分になれる、そんな素晴らしいノンフィクション作品でした。

“ケンペーくん”についてもベンキョーし、「Sm」さんについて行こうと(笑)・・・

 ↑本日のオマケ(笑)。ケンペーくんについてを大づかみするには持って来いの好著!作者の本業がエ〇小説の大家というところもステキ。サスガは「Sm」さんお奨めのコミックだわ。溜飲が下がります。

 それじゃー、また明日。

9 Replies to “1974年のサマークリスマス~伝説のアナウンサー、林美雄”

  1. 林美雄アナ、正直知らなかったのですが、久米さんの音声とたこちゃんのブログ内容で人柄と苦労話を知りました。
    早くに亡くなられたのが惜しまれますね。
    いい本だと思います。

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