地平を駈ける獅子を見た

 ・・・と聞けば、手塚治虫先生のジャングル大帝みたいな世界観を彷彿とさせますが、まぁ合ってます。現在のプロ野球チーム、埼玉西武ライオンズが1979年の球団結成時に制定した球団歌の題名であります。いまだにアレンジを変えつつ使用されているようなので、東京近郊で西武鉄道各線の沿線住民の方々なら比較的お若い方々でも「ああ、アレね(苦笑)」と、ピンと来るとは思いますが、ソレ以外の方々には「ナンのこっちゃ」かも知れませんね。

 そんな、練馬人や所沢民の脳裏にヘバりついて離れない「迷曲(失礼!)」が、一週間前くらいから我が家で突如リバイバルブームとなっておりまして、アタマの中では松崎しげる先生が、連日の猛暑の中、鬱陶しいくらいに暑苦しい歌唱法で熱唱を続けて(しかも無限リフレインで:泣笑)おります。ま、ナニはともあれ、まずは御一聴を(音出ます、注意!)。

 先日の、千葉拙宅からつくばへの移動中に、なぜか突然、たこヨメが口ずさみ始めまして、「コレって、西武新宿駅とかで毎日シツコク掛かってたわよねー」「(なんで、今ソレ?と訝りつつ)池袋駅でも掛かりまくってたヨ。西武デパートの優勝記念セールにも行ったコトあるし」「なんか、スゴくキャッチーな曲よねぇ」「ま、確かに、いきなり小サビで、そのアトも中サビ、大サビと、全部サビ(笑)、ドコも捨てるところが無いよな曲だよなぁ。こんな天才的な曲、いったいダレが作ったんダロな・・・」で、数日間の後、たまたまワタシの趣味である広告研究の一環でネットサーフィンをしておりましたら、昨年没した小林亜星先生を偲ぶ記事を見つけまして、その中の記述に依って、この「地平を駈ける獅子を見た」が亜星先生作曲のモノであると分かりました。云うまでもなく亜星先生は、CMソング・アニ特ソング・歌謡曲と、ポピュラー音楽の広範な分野でウルトラヒット作が枚挙に暇無しといった大家であるワケで、当時の人気ドラマ寺内貫太郎一家を視て中坊の頃に思ってた「ただの狂暴なデブ(笑)」では無かったんですが、こんな曲まで書いてらしたとは夢にも思ってなかったんで少々意外でした。でも、分かってから考えると、CMソング畑で百戦錬磨の亜星先生しか生み出すコトが出来なそうな完成度であるよなぁと得心出来ました。その一方で、単なる球団歌とは思えぬ「地平を駈ける獅子を見た」という題名から、この作詞者も只者では無い(特に駆けるではなくて駈けるとするところが、いかにも言葉を大切にする詩人的感性)なと感じてましたが、 やはり稀代のヒットメーカーである昭和の偉人、阿久悠先生だったんですねぇ。というコトは、都はるみサンの大ヒット曲「北の宿から」コンビが全盛期に書き上げた楽曲というコトになりますんで、先ほど迷曲と失礼なコトを書きましたが、コリャ紛うコト無き名曲ともなるワケです。さらに、後のバージョンのアレンジと聴き比べると、オリジナルの原初バージョンのみに感じられる疾走感が際立ちます。もっとも耳に馴染んだこのバージョンを編曲されたのが高田弘先生。リンク先のウィキペディア記事に拠れば88才で御存命との由。やはり名盤には名アレンジャーとソレを歌いこなせる歌唱力が必須というワケで、「愛のメモリー」で大ヒットを飛ばした直後の歌唱力抜群、旬だった松崎しげるサンの起用ともなったんでしょうね。作詞・作曲・編曲・歌唱と、当代一流の制作陣が産み出した球団歌をなぞるように、その後の西武ライオンズは、森監督の指揮下で辻・石毛・秋山・清原・デストラーデ・田辺・工藤などの名選手を擁する昭和の黄金期を迎えたワケです。上部組織の西武サン自体が時代の波に押されて凋落していったのは元練馬人として寂しい限りですが、この球団歌の勢いを久しぶりに貰って、再び「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を夢見ちゃいそうになりましたヨ。

 いずれまた、亜星先生の作品群については詳しく書きたいところですが、関東人にはお馴染みだった「安さ爆発 カメラのさくらや(音出ます、注意!)」もその一つだったんですね、まさに天才!

 それじゃー、また明日。

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6 Replies to “地平を駈ける獅子を見た”

  1. 地元球団ができて、それまでは皆と同じ巨人ファンでしたが、中2で西武ファンに転向して今に至っております。
    結成初年は開幕より12連敗、最下位でした。
    「がんばれタブチくん」も好きでした。

  2. ↑ テツヲタ先輩同様、私も「がんばれタブチくん」で、(ちょっと紙が分厚いカラーの漫画を) 読むと無性にたこ焼きを食べたくなった記憶があります。
    確か、我が阪神タイガースの「六甲おろし」と読売巨人軍の「闘魂込めて」は、あろう事か!同じ人が作曲しているはずですね。

  3. 松崎しげる先生は数年前にデポに伺う際、光が丘のIMA特設ステージで「生」を拝見しました。
    やはり色黒と、歌唱力が印象に残ってます。
    静岡出身の方は、40年以上「富士サファリパーク」のローカルCMと歌も現役なので、身近に感じる方が多いと思います。

  4. 西武ライオンズは、森監督時代に、ライオンズショーアップナイターをラジオで良く聴いていました。辻選手好きでしたね。金森選手もいたなぁ。
    さくらやは潰れて、ポイントも消滅しました。
    小話で、さくらや新宿東口店の5階倉庫で、なんかボンボン爆発音がしていて、なんだろうと店員さんが見にいくと、安さが爆発していた!

  5. プロ野球には疎いのですが、浪人生の頃の日本シリーズで、ジャイアンツがライオンズにヨンタテくらって負けたのが衝撃的で。
    辻→秋山→清原→デストラーデ。
    ライオンズに、こんなノリノリの応援歌があったとは。
    小林亜星さん作、レナウンワンサカ娘の話題は、また別の機会に・・・。

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