マセラティクアトロポルテⅣ前期型のドア内防滴シート張り方講座(笑)

 ・・・って、ダレもそんな講座は聴きたくないとは思います(泣笑)が、本日は麗らかな春の気温となりましたので、この手のシゴトに最適な気候であると判断して折角行った作業ですので、当ブログの読者諸兄にはムリヤリ本講座へ御参加頂きます(笑)。俎上に載せますのは、マセラティクアトロポルテⅣV6前期型(「新潟のY」さん号:長らくお待たせして本当にスミマセン!)の右フロントドアでありますヨ。

さぁ、天気もイイことだし、いっちょイッてみましょうか!
いったん、仮調整を済ませているウインドーレギュレーター。コレをもう一度ハズして(泣)、防滴用のインナーシートを装着せねばなりません。
インナーシートの採寸は経験値を加味した現物合わせで行います。
あらかじめ開けておいたビニールシートの穴を、インナーパネルの穴に合わせます。
ドアインナーパネルとウインドーレギュレーターの間に挟みつつ、ビニールシートの貫通穴をも一つ一つパネル穴と重なるように覗かせなければなりません。相手のナット側は、レギュレーターユニットに溶接されています。たった一本のボルトを付けるのも、インナーシートの存在によって量産車では有り得ない時間と手間の掛かる工作を要求されます。インナーパネル内には、各サービスホールからマクった腕をヒジまで突っ込んで作業をいたしますので、手指が短く男子としては最も細目の手首を持つワタシですら、いつも手首がキズだらけ(大泣)となります。よって腕の太い方には、物理的に完全なシゴトは難しいと思われます。
合計6箇所あるビニールシート貫通穴のうち、ココを最初にキメます。
ランチャンネル下端の取付ボルトは、このようにして付けるしかありません。
ビニールシートは、動作する窓に触らぬよう、またハーネスの防滴となるように。
最上段のシート上端は、すべての締結が済んだあと、最後に貼るんです。
ドア最上部の室内側水切り部を折り返すように両面テープを貼ります。
両面テープの保護紙をハガします。
インナーシートの上端を摘んで上方にテンションを掛けつつ折り返して貼ります。
ランチャンネルとハーネス群の間にビニールシート前端をスベりこませています。
このボルトが最後に噛ませるべきモノです。続いてすべてのボルトを締め上げます。
ドアインナーパネル各部には、元位置通りに両面テープを貼っておきます。
インナーシートの一部はドアインナーパネル側に寄せておきます。
コチラも、後に内部の臓物に干渉せぬようにガムテープで引っぱっておきます。
両面テープの保護紙をハガして、次の工程への準備を完了しました。
インナーシートと同様に、アウターシートも切り出して作ります。
先に大き目のシート開口部から形成しておきます。
シート形状は、このように一旦軽く貼り付けて、採寸の上で切り出します。
ドアインナーパネルの開口部にはアウターシートの下端をスベり込ませます。
コレで、アウターシートの貼り付けも完了です。
ビニールシートの下端は黒いガムテープで全幅に亘って覆います。オリジナル状態もこのような具合なので、キッチリとヤリ直さないと室内に水が入ったりいたします。
クアトロポルテⅣ前期型までのインナーロックノブ取付工作は、いっけん簡単に見えて超絶難度なんですが、その工法は「きぎょーひみつ(笑)」デス。
前後の紐状トリムを両面テープで元の位置に貼り付けます。この段階で、ドアを閉めて、ウインドーレギュレーターの全開⇔全閉動作のスピードと、集中ロックの正常動作を左右両方のドアからキーを捻って確認しておきます。
上部トリムには、最後にツィーターを取り付けます。
さぁ、今度こそ雪どけの時期に間に合わせなきゃ・・・(Yさんにペコリ)

 ↑たった一枚のビニールシートを張るというダケのシゴトにも、こうした様々なドラマが生じてしまう(泣笑)というところが、旧いマセラティの手作り車なるがゆえの特徴であると云えましょうね。

 それじゃー、また明日。

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10 Replies to “マセラティクアトロポルテⅣ前期型のドア内防滴シート張り方講座(笑)”

  1. これを作るイタリア人の工作能力は高いのか低いのか?
    造形美に関しては超一流なんだろうが…

  2. この様な、障子貼りの様な職人芸と、それを全く感じさせないQP嬢のツンデレ(旧い!!)が好き!!!
    だって、動くオブジェ@たこちゃん、みたいに綺麗👍❤️

  3. この匠の技も、年式ごとにアジャストが必要だったりするんでしょうね…
    とても整備書には載っていないような秘儀ばかりではないでしょうか。

  4. 凄いとしか言いようがありません。前期、後期、車種によってまたいくつものパターンがあるのでしょうかね。そこのとこを統一するとか、簡略化するなんて方向にはいかなかったのかなぁ。

    1. ↑↓皆さん、いつもコメントを有難うございます!

      「練馬のH」さんの仰るように、クアトロポルテⅣのドア周りの場合には、最初期型・前期型・後期型・エヴォ系(含むコーンズセリエスペチアーレ)で様々に相違点があり、それぞれに問題点があります。

      ドアインナーパネルの開口部(サービスホール)も、集中ロックや各ドアノブのリンク棒の材質&取り回しも、ドア下電灯の設計や配線の取り回しも、ウインドーレギュレーター(最前期型のみ他と互換性が無い)も、ボディ側からドア内部への各電線ハーネス誘導方法も、ドアミラースイッチの取り付け位置や設計も、パワーウインドースイッチの構造や取付方法も、ドアトリムの構造や取付方法も、時代によってマチマチなんです。ソコに少量生産車ならではの“個体差”までも加味されてきます。ドア内造作のほとんどの作業は手探りで行う必要があり、内部構造を“指先で”なぞれるよう(触感ダケが頼り)にならないと、完全なシゴトは達成出来ません。ですから鈑金屋さんなどでドア内部をいじられた場合には、すべてをゼロから検証し直す必要が生じてしまうんです(泣)。

  5. こんなことだから、不調が起きてもしっかり直せず、その場しのぎで誤摩化されて、オーナーも手放さざるを得なくなり、、、、悪循環が始まってしまうんですね。。。残念なことです。

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