超絶への道は、地味なシゴトの積み重ね。

 今も階下では、最終調整に入ったマセラティ228後期型(5速マニュアルミッション:「藤沢のO」さん号)が、軽快なエキゾーストノートを奏でております。先日もメインヒューズボックスのリビルド風景下回りの一連を御覧に入れましたが、その後も地味な作業(パッと見では見えないところばっか:泣笑)を続けましたので、お笑いください。

まずは、バッテリーのアース側を切りましてね・・・
リレーをハズせば、カプラーはそれなりにヨゴれています。
まずは、カプラーをひとつひとつ手拭きで清掃して行きます。
コチラも同様にヨゴれていますが、おそらく、接点(ギボシ)の導通を良くすると謳われている薬剤(当店では、あまり推奨しておりません)が塗ってあるモノと思われます。
でも、カプラー表面をキレイにすると、結局こういった病巣が見つかります。
ダメなギボシのみならず、すべてのギボシを新品に交換して行きます。
時に、ひとつのギボシに2本3本と纏めてカシメなきゃならない場合もありますので、導通を確実にするためにハンダ熔着を併用するコトも多いです。
斯くて信頼性を獲得したカプラーを、清掃とツヤ出しの済んだインナーパネルに装着。
コチラ側も同様です。カプラーのみならず、すべてのコードも美しく甦りました。
デ・トマソ期のマセラティも、ひとつひとつの弱点を着実に抑え、的確な対策を定期的に行えば、他の旧車と比して過剰に怖れるコトは無い存在となります。
今度は、下回りの要であるタイヤ&ホイール周りに手を入れます。
ブレーキキャリパーは、ワイヤーブラシで軽くコスってやります。
ひとつひとつ手作業で仕上げてまいります。
フェンダー内部には改めてチッピングガード塗装を施し、防錆も万全です。
ハズされたホイールは裏側まで洗いましょうね。
秘伝のタレ(笑)を、スプレーして全体的にマブします。
ちなみにコレは、もっともヨゴれていない部類の、極めて楽ぅ~な例です。
浮き上がったヨゴレに軽くブラッシングをいたします。
水でしっかり流せば、はい、出来た。
マイクロファイバークロスで水気を取りながら、手拭きで仕上げます。
旧いバランスウエイトの糊痕を溶剤で除去します。
・・・とは申しましても、一生懸命コスらないと簡単にはトレません。
最後に仕上げ拭きを施して、完成。スッキリしましたね。コレを5本ヤルんです(泣笑)。

 ↑ま、このあたりは一例ですけれど、当店の場合は一事が万事でこんな調子です。出来るだけオリジナリティ(往時の製品が持つ、その時代ならではの空気感)を損わぬように美観を復旧(アンチエイジング)しつつ、同時に信頼性の向上を目指す作業を、日夜積み重ねております。

 ほとんどが見えなくなっちゃう部位ばっかしなところが(大泣)。

 それじゃー、また明日。

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4 Replies to “超絶への道は、地味なシゴトの積み重ね。”

  1. この世に体を受けたMaseratiの裏側にまで魂を込める姿は、正に、鎌倉時代の運慶/快慶が仏像の体内に書置をし、その裏側までにも気を配り、最終的に、仏に魂を込めた!!ということと似ていますね👍
    この「魂」こそがマイクロ・デポの真髄であり、その魂に惹きつけられた色々な方々と一緒に、じゃあああーん、仏造って魂入れて、!!「デポ謹製」となり、お布施を払う信者の元へと嫁がれるのではないでしょうか^_^

    で、さて、次回3月のホルモンは如何に???!!!

  2. 日々の鍛練が、匍匐前進の日々が、マイクロデポさんをマイクロデポさん足らしめるのであります。
    超絶素敵な228、ナマで触れたいものです。
    見て見て、この超絶オーラを纏う、デポ謹製車両たち。
    シルバートライデント仮面が素肌に羽織る纏いたくなるのも、頷けるはずなのであります。
    ああ、久留米のS様が、ボクには真似できない、良い子ちゃんコメントしてやがるのであります・・・ずるいぜ。
    いや、尊敬しているのであります。
    たこちゃんを。
    そして、デポさんの上顧客の先輩方々を。
    シルバートライデント仮面は底辺仮面はでありますから、せめて、超絶228のシートに潜り込ませてくださいませ。
    それが、本望?
    ↑やめとけ。
    いけない、収拾がつかなくなってきました。
    ハニー・フラッシュ!

  3. 「デ・トマソ期のマセラティも、ひとつひとつの弱点を着実に抑え、的確な対策を定期的に行えば、他の旧車と比して過剰に怖れるコトは無い存在となります。」
    とても心強い言葉。
    大事に乗りたいですね。

  4. この細かいことをやってくれる中古車販売店がなかなかない!全世界的にもない。貴重で、稀有な存在です。

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