ヴェトロモンターニャ高野山2020参加記@りゅたろう(その2:完結篇)

岡本”たこポン”和久様

ヴェトロモンターニャ高野山2020その2を書きました。
遅くなって申し訳ありません。
でも、いつもと違って、はじけてません。
なんか落ち着いてるというか、ちょおっと暗め。
どうしてだかわかんないけど・・・〇△◇様が来れば少しは気分も上がるかも・・・知れない。
そう願っています。

伊藤龍太郎 拝

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前回からの続きです:なんか、いつになく殊勝デスねぇ・・・:笑)

 10月25日はきれいに晴れ上がった、気持ちのいい朝でした。 まずは朝ご飯を。ホテルの朝食バイキングってなんかうれしい。自分んちでは絶対に望めないことですから。

朝からお腹いっぱいになったところで8時半からのドライバーズミーティング前にお風呂にもう一度。私の他には和歌山からMGBでご参加のKさんのみ。しばし歓談を。宿泊が宿坊でなくなったので、余裕が出来て、ほかの参加者さんたちとお話しする機会は格段に増えました。
ほかほかになって、冷たい朝の空気を心地良く感じながらドライバーズミーティング。今日は熊野本宮に行き、南紀田辺を目指します。さて、チョークレバーを引き、イグニッションを回し、スターターボタンを押します…が、かかりません。明らかにバッテリー上がりの感じです。しばし絶句。気を取り直して、オフィシャル車よりバッテリーケーブルをつなぎます。難なくかかりました。でも、いやな感じが毛穴からじわっと出てくるようです。スタートまでそのままエンジンをかけておきました。
【朝の季楽里龍神にて】エンジンが掛かりません。
【朝の季楽里龍神にて】
【朝の季楽里龍神にて】
【朝の季楽里龍神にて】

 ホテルを出発する時には何も異常を感じません。気持ちよく朝の空気をかき分け、とことこ進みます。ホテルを出てすぐの所にある最初のガソリンスタンドで給油しました。約20L入りました。エンジンを止めるとき一瞬躊躇しましたが、その時はまだガス欠の方が怖かったのです。それにガソリンスタンドだし、もしかからなかったとしても、バッテリーはあるな、っと。

 ちょっと心配しながらスターターボタンを押すと、1発でかかります。よしよし、さあ行くぞ!541!行きかう車がほとんどない田舎道をとことこ走ります。沿道の地元の方々が手を振ってくれます。いつもと変わらない風景です。

 ともあれ、熊野本宮に行きお昼ご飯を食べよう。Uさんはどこかでバッテリーを買ってきてくれるそうです。私は熊野本宮でリタイアすることになりました。

 お昼のお弁当は、地元のおばちゃんたちが作ってくれた、とても美味しいものです。傷心の私を優しく慰めてくれます。菜っ葉で巻いたり、煮たお揚げでくるんだ小さな4個のおにぎりに、お煮しめやらいろいろ、そして大きな鮎の塩焼きです。最初に参加した時からお昼の鮎の塩焼きは必ずありました。今日のにはお腹に子がたくさん。落ち鮎でした。

 昨年は長い階段を上がった先にある神社にご参拝しましたが、今回は明治時代に水害で流された、元の中州にある大斎原(おおゆのはら)にご参拝しました。

【熊野本宮大社にて:ヴェトロモンターニャ総監督のSさんと。】静謐な心持ちになったところで総監督のSさんにリタイアと早めに失礼する旨を伝えました。来年の再会を強く約束しましたが、ここで私は弱気になってしまい、アストンかお馬さんで参加してもいいか?と尋ねてしまいました。541で参加するのは、確かこれで4回目(いや、3回目?)ですが、ちゃんと完走したことがありません。ちょっと心が折れそうな私です。
【熊野本宮大社にて】
【熊野本宮大社にて】
【熊野本宮大社にて】
【熊野本宮大社にて】
【熊野本宮大社にて】
【熊野本宮大社にて】

 T君は、昨日止まったことが気になるのか、運転しようとしません。いい調子でしばらく走っていましたが、10キロちょっと走った頃でしょうか、エンジンにほんの少しだけばらつきを感じました。いやいや、気のせいだ、気にすんな、と思いつつもばらつきは出たり引っ込んだりを2,3回繰り返し、とうとう無視できないレベルになります。シャッターが閉まった商店の前に停めると…エンジンが止まりました。バッテリーは反応しません。ポルシェ911のKさん、他に数台、そしてオフシャルカーが止まってくれました。すぐにバッテリーをつなぎますが、今度はなかなかかかりません。重い重いボンネット(金曜日にこの重さで腰を痛めました)を開けて、SUキャブに流れるガソリンの量を調整したり、アクセルワイヤーを調整しつつスターターを押しているとようやっとかかりました!どうか止まらないでくれ!と祈りつつ、熊野本宮までの休憩地点であり「道の駅 ちかつゆ」までたどり着きました。ここでメカニックのUさんを待ちます。

 ブガッティに乗られていたNさん、Tさんを乗せてUさんが着きました。Nさんはとっても嬉しそう。「旧い車はいろんなことがあるから楽しいよねぇ。ん?君も??」って、うんなことない!楽しくない!

メカニックのUさん、(今回同行コドライバーの)Tくんと。

 Uさんに色々診ていただいた結果、オルタネーターが死んでいるという結論となりました。昨年の電気系シュートで、実はオルタネーターは死んでたけど、帰ってすぐに新品のバッテリーを買ってつけてしまったので、わからないまま今日まで来ちゃったんですね。その後あまり乗っていなかったので、バッテリーが尽きてしまうまでわからなかったようです。ここ最近の習熟運転はほとんど夜で、当然バッテリーを使いまくっていたのです。そうじゃなければ、もうちょっと先まで分からなかったかもしれません。つまり、普段からもっと乗ってあげていれば、参加前に分かったはずです。昨日のガス欠の症状は、電気が弱く、ポンプがガソリンを吸い上げきれなくなっていた症状のようです。エンジンのばらつきもスパークが弱かったのでしょう。車って、乗ってあげていないと分からないんです。こんなふうに反乱を起こすんです。そうです、すべて私が悪いんです…

 14時に熊野本宮を出発して、大阪南港まで普通は2時間ちょっとです。ライトを点灯するのは避けたいので、明るいうちに行ってしまおうと考えました。フェリーは19時ですから、これは余裕だ、神戸まで行けるかな?(大阪発のフェリーは別府着、神戸発は大分着なんです)などとお気楽に考えていたんですが…大渋滞!!GoToトラベルの影響と和歌山県内での工事車線規制!!日曜日に工事するか!?和歌山県道路公団の馬鹿!!

 重いクラッチを減らないようにものすごく神経を使いながら、のろのろと。助かったのは、541には強大なトルクがあるので、1速でクラッチを放してもエンストすることなくのろのろと前に進んでくれます。

【焦って(フェリー)ターミナルに向かっていた時の大阪の夜景。】和歌山県内では本当に少しずつしか進まず、大阪からは少し空いてきました。もう日は落ちて暗いです。Uさん(ホンダNボックス)が先導してペースを上げることになりました。ポジションランプだけつけて、Uさんにぴったりついて行く作戦です。勿論、541の事も考えてくれてたんでしょうが、速い!速すぎる!死にそうな思いでアクセルを踏み、車線変更をします。ふわふわした541は、重いくせにソリッドな感触が全くありません。
【本当に怖かった。】顔は引きつり、手に汗がじわっと…8年前、雨の高速をやはりフェリーに送れないようにシャマルを飛ばした時より怖かった。車が混んでくるとちょっとホッとするんです。でもNボックスは無情にも車線変更を繰り返します。速いんですよ、レーサーは。6時20分ごろ高木君にフェリーターミナルに電話してもらいました。あと数分、10分位で着くので待っていてほしいと。でも着いたのは出港10分前の6時55分でした。フェリーって待っていてくれるんですね。ありがとう!サンフラワー!

 Uさんにお礼もそこそこ、フェリーの中に入ります。キャビンに入った時には、心底ほっとしました。辿り着けた、と。5時間の運転で結構疲れてしまい、チューハイとカレーを食べたらすぐに眠くなります。カレーはちょっとピリ辛で、すごく美味しく感じましたね。5時間一気に眠って、ジジイですから、トイレと煙草。ビールかなんか欲しかったけど、11時以降はアルコールを売ってなくてジュースで我慢しました。

 すぐに眠り、翌朝はさわやかに朝を迎えた、と言いたいところですが、あちこち痛い!腰はギシギシ、両上腕は張っています。両手のこわばりはリウマチのよう。

【別府に着いた。】別府の朝は混んでいます。でも、いくら混んでようが、地元の道は何の不安もなく、ほっとするものでした。ああ、今日帰れて良かった、お風呂につかりながら思わずつぶやきました。
ヴェトロから帰って初めてキレイに洗車しました。

 今回も、またしても、反省することしきりです。541にもっと乗らなくては。Eタイプに乗っていた頃は、全て1台でやっていました。その頃に比べると、お腹と同じようにずいぶんと気持ちに贅肉がついてしまった。911は素晴らしい車ですが、とても安楽な車です。飼い慣らされてしまった。もっと541に乗ってあげなくては。

 で、541にパワステをつけることにしました。あの死ぬほど重たいハンドルは、なかなか乗らなくなったことの大きな理由です。車庫に入れる時の切り替えが、とてもつらいです。ステアリングロッドが折れるんじゃなかろうか、という位重たいです。Uさんによると、問題なくつけられるそうです。Uさんは50年代のアルファに86のミッションを乗せてしまう位なのです。昔のデポのようにごちゃごちゃとした小さな工房でブガッティをはじめ、どんな車でも診てくれます。たこポンとUさんに出会って、私の車人生は天寿を全うする事が出来ます。

 その前にオルタネーターをどうにかセナ…(完)

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 (以下たこちゃん注)

 ・・・それでもね、いつも思うんです。りゅたろう先生って、天性のナニかを持ってらっしゃると云いますか、とにかく最終的には“ナントカなる”星の下に生まれついていらっしゃる。しかしながら、ソレはオカルト的な神憑ったモノではなくて、一瞬一瞬のヒトとヒトとの交わり(人的交流)の深さにあるのだろうなと思っております。お得なキャラだよな(笑)。ソレにしても、バッテリーとオルタネーターについては、つい先日にワタシもウチの“あひるんちょ”でヤラかしたモンで、御同情の至りでございます。旧いクルマって存外に走れちゃうんですよね。特にワタシのは電圧計も警告灯も持たないプリミティブさなので、完全にアガり切った翌日まで分からなかったですもん。いまだにジェンセン541のステアリングを握る機会には恵まれておりませんので、どの程度の重さなのかは分かりませんが、お若いころに格闘技で鍛え上げたりゅたろう先生の腕力を以ってしても“超重い”と云わしむるんですから、ソリャ大概重たいのでしょうね。早くパワステを装備して、日常的に走れるイベントカーにしておいて欲しいモンです(願)。ソレにいたしましても、新コロ禍中に於いて開催を決断されたヴェトロモンターニャの御関係各位は、大層気を遣いながらの二日間であったと推察申し上げます。感染症対策にも重々気を配りつつ(今回は参加者に配られたロゴ入りのマスクが場内パス代わりであったのです)、伝統あるリアルイベントの灯を消さずにいてくださった英断には、感謝の気持ちで一杯です。

 それじゃー、また明日。

7 Replies to “ヴェトロモンターニャ高野山2020参加記@りゅたろう(その2:完結篇)”

  1. 祝、無事ご帰宅!

    「何とかなる」というスタンスは小心者のワタシからすれば本当に羨ましい限りです。
    「何とかなる」と思おうとしても「何とかしなくっちゃ」と焦るばかり…

  2. 旧い車って、何とかなるものです。
    そりゃ222SRの時みたいにガソリンがジャバジャバ出ちゃってる!となったら、厚木インターの手前でたこポンなんかを3,4時間待たなくっちゃなりませんでしたが、それでも何とかなって、通常通り出勤しました。
    例えばエンジンの方バンクが完全に死んでるってなっても、それでそろそろ走りながら帰りつけるもんです。
    現代の車ではそうはいかないけど。
    あっ!一番は、山の上でMGAのベルトが切れちゃってどうすんの!?となった時に、本当に女性のストッキングを2重にしばき上げてふもとの車屋さんまで走って行ったことです。
    行けるとは思わなかった。
    ついでにその時ぼとぼと漏れ始めたオイル、オイルフィルターのパッキングがズタズタだったんだけど、車屋さんがタイヤチューブを丸く切って、フィルター代わりにしてくれてなんとか家まで帰れました。
    ベルトは、なんか適当なのを切って縮めてつけてくれました。
    その時その時は、ドキがムネムネでしたが、今考えると本当に恐ろしくて楽しい。
    まあ、40年車に乗ってるといろいろあるし、今は携帯があってすぐにどうにかなるから、昔よりずっと楽チンですね。

  3. 何はともあれご帰還おめでとうございます。オルタ交換だけでなく、パワステ化も計画とはまた楽しみが増えましたね。

  4. オルタネーター故障に起因する一連の現象、原因が分かると「なるほど」と思いますが、原因が分かるまでは心配が尽きませんね。
    エンジンがかからないとなると尚更。

    とにもかくにも無事フェリーに乗船しご帰宅。
    大変お疲れ様でした。

  5. りゅたろう先生、読み応えのある続編
    ありがとうございました‼️
    ご無事にお帰りになられて何よりです。
    たこちゃんもおっしゃられているとおり、何とかなってしまうのは、きっと先生のお人柄の為せるところなのでしょう。
    いつかお目通り叶いますように。

  6. 本当に楽しそうなイベントで、りゅたろう先生が羨ましいです。
    コロナで本当にもう引き込もっておりまして。
    こんなイベントに飢えていたもので。

  7. やはり多数台所有の悩ましいところですね。541の重ステが原因と、日々の忙しさで、なかなか乗れていない訳ですし。来年に向けて、用意周到に行きましょう!
    わたしも今年は長距離ドライブに行っていません。どっか行きたいなぁ。

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