今さらながらの旧車入門講座(その4)

第二章:DIYで行くか、プロに任せるか(の続き)前回のはコチラ

 前回は、ドイツ車について途中までをザックリと論じてみましたが、メルセデス・VW・ポルシェと来て、残すは、BMW・アウディ・オペルですか・・・戦前には、云わば現在のフェラーリ的な存在感があったアウトウニオンや、世界初のロータリーエンジン搭載車を発売したDKWなどを抱合してきた歴史のあるアウディも、航空機エンジンの製造を発祥とするBMWも、その歴史を辿ればワタシなどには“クル”もんがあるハズなのですが、何しろ自分がクルマに大いなる興味を抱き始めた時期に製造していた製品が、スーパーカーにカブれたワタシの目には地味にしか映らなかった(だってラインナップにペッタンコなスポーツカーが無かったモン)ので、それから40年経ってもピンと来ない銘柄なんですよねぇ。オペルには、1900GTっつーのがありまして、小型で流麗な2ドアクーペのデザインにはプアマンズ(笑)トヨタ2000GTといった風情があり、おにぎり型の開口部を持ったリトラクタブルライト(後ろヒンジで前方が開く通常の在り方ではなく、ワイヤーを介した手動で、ドンデン返しさながらグリンと横方向に180度回転して目ん玉が出てくる)が似ているというところがキモでありました。如何にも旧車といった意味での自動車趣味の対象といたしましては、BMWですと、イセッタ、2002を含む02シリーズ、3.0CSなどのクーペ、その流れを汲む初代6シリーズ、同じく8シリーズってところですかね。またM3も世界的に根強い人気があるようです。アウディは初代クアトロ(いわゆるビッグクアトロ)くらいしか思い浮かばないなぁ。WRCマニアの方にはグッとくると思います。そのような中でも、直6を積んだBMWはエンジンを買うようなモンですが、シルキーシックスと謳われたダケあって、調子が良ければ気持ちの良い加速フィールを味わえます。一気に残存数が減少した初代750とか850は12気筒エンジンが売り物ですが、その維持は結構たいへんだと思われます。比較的維持が容易で、往年の“らしさ”を味わうには、02系のBMWがお奨めなんですが、今となってはボディがしっかりしている個体を吟味したいところでしょう。アルピナやAMG、ルーフ、イルムシャーなどチューナー系は、メカニカルな完成度が高すぎていつまでも現役感を失わないので、却って旧車然とした魅力とか味わいが出て来難いウラミがあります。あくまでも私見でありますから異論はおありでしょうけれど。

 ここ20年ホドのドイツ車は、いずれも残存数が多く、本来の耐久性とパーツ調達や整備の容易さが見て取れます。旧い年式の車種に対する製造メーカー側のスタンスがラテン系各社に比べて優れている上、個別の製造台数が多く、従ってビジネスのパイも多いので、リプレイスメントパーツやアフターマーケットパーツの入手も可能となっている車種も多かろうと思います。かつては、VWが入門ブランドの代表格でしたが、我が国では1980年代後半からのバブル景気で大量のドイツ各車が販売された効果もあって、オペルを除くどの銘柄でもエントリーは容易くなりました。オペルは一時期、天下のヤナセさんがインポーターとなり急速に販路を拡げましたが、やはり個々の魅力には乏しかったようで、今では街中で見掛けるコトもメッキリ少なくなりました。ロータスエリーゼとの兄弟車であるオペルスピードスターなどは、穴狙いのマニアックな層には、これからアピールしていくモノと思われます。旧くて安価なモノをDIYで楽しむも佳し、キチンと価値のあるものを専門店でしっかりメンテしながら乗り倒すも佳し。ドイツ車は懐が深いです。

 それじゃー、また明日。

8 Replies to “今さらながらの旧車入門講座(その4)”

  1. 80年代のドイツ車、どれも憧れでした。なんかいい匂いもしてました。なかでもPに対する思い入れは強いです。今となっては高根の花。なぜ激安の時にいけなかったのか、後悔しきりです。

  2. ドイツ車はディーラーもしっかりしているし台数もあるし、は事実なのですが欠品パーツも勿論あるしディーラー任せではBMW 3シリーズ(E30、E36)あたりでも維持は困難なのが現実です(というかもうディーラー入庫は珍しい)、お得意の電子制御パーツも高いですよ、湯水のように金を使えるならという条件ならいいですが。
    ファンが多いアルピナ、近頃のは専用部品の割合も少なくなりましたがやはり部品は超高価、救いはそもそも一般人は購入しない(アルピナブルーのペイントは約40万、右ハンドル仕様も同じぐらいの価格でオプションです!)しMモデルのように弄られる個体が圧倒的に少ないから良い素性のものに巡り会う機会が高いことです。ドイツ車、身も蓋もない言い方ですがやはり経済力が肝か。

  3. BMW・アウディ・オペル。
    BMWは安定株ですが、アウディは昔に比べてプレミアムブランドの地位が向上したように思います。
    アウディ80あたりのシンプルでこ洒落た雰囲気も良かったですが。

  4. E36のアルピナとM3共にリムジン乗りました コンパクトな車体で、機会があればまた乗りたいですね オペルカリブラターボ4WD6MTかイルムシャー買おと思いましたが、ヤナセの知人に部品供給で脅され止めましたが、今思えば何とかなったかもしれません カリブラターボとマンタイルムシャー欲しいな〜 

  5. ヴェトロモンターニャ高野山に毎年いらっしゃっている、1966年式、メルセデス300SEクーペは、とてもエレガントで素敵です。
    初めて好きになったメルセデスです。
    ものすごく長そうに見えるのに、5mないのには驚いた。
    エアサスも完調で、高速での乗り心地は素晴らしいとの事です。

  6. ドイツ機ファンなのですが、ドイツ車だったらティーガーⅠ。
    最近のドイツ車には、あんまり惹かれません。
    VWやMCCスマートは良いと思います。アウディも良いです。でも、ドイツ車って、無機的な実用車で、カッコ悪くも無く、さりとてカッコ良くも無く。
    古いドイツ車には惹かれるのですが。
    ポルシェの定番RR空冷フラット6の機構に興味津々だったのですが、いつのまにかそうでは無くなりました(悲)。
    ドイツ車は、ワタクシの中では悪役なのです。勝手な妄想なのですが。
    80年代のWRCにおいて、ランチア=正義、アウディ=ピカレスクのこの構成。
    90年代末のル・マンにおいて、アンドレ・デ・コルタンツの先進的デザインのトヨタTS020を応援したのですが、優勝は、獰猛なカマキリのようなポルシェ911GT1や、毒蜘蛛のようなBMW V12に持ってかれました。
    後輩には、「Smさんて、なんだかんだ言ってもトヨタ好きですね」と言われて、ハッとした次第。
    そうです。生粋の日本人でありますから。でも、最近のトヨタ車のデザインに付いていけない、古いイシアタマの愚かなワタクシメを叱ってくださいませ。
    その後輩も、アストンマーチンかっけ~って世迷い事を吐く病。
    御国柄でしょうか。英国車は、お洒落且つ野暮ったいのです。
    だったら、お洒落且つ能天気なイタリア車をオススメしたいのですが。
    ロンドン五輪の開幕映像を見た時、円卓の騎士なぞ何処いった感が満載の、強烈な違和感を覚えたんだよなあ。

  7. ドイツ車はなんかビジネスライクなイメージです。ほんの少しの車所有歴ですが、今までドイツ車を買おうと考えたことはないですが、老い先短いですから、旧車じなくとも911とか、メルセデスとか、所有してみたいですね。

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