今さらながらの旧車入門講座(その3)

第二章:DIYで行くか、プロに任せるか

 前章に於きまして、旧車に立ち向かう(泣笑)に際しての心構えを問うたのでありましたが、今度は、その手に入れようとする旧車と、これからどういったスタンスで対峙していくのかといったところをおハナシしたいと思います。まぁ肩のチカラは抜きつつ耳を傾けてくださいな。

 ズバリお尋ねします、「自分で弄りたいですか、プロにすべてを委ねますか」・・・ま、もちろんその折衷案ってのもあるにはあるのですけれど、ま、主に旧車でビジネスしている立場から云わせてもらえば、須らくお任せ頂くのが望ましいワケなんですが。ソコ、どーする(笑)?

 老後を想定した場合には、「ヒマはあるケド、カネは無い(有っても使いたくない)」という可能性もございます。そのようなアナタは徹底的にDIY指向で突き進むのをお奨めいたします。今はインターネット上で地球上の如何なる情報をもスマホから得るコトが出来る時代です。イタリア人とヤリトリしたいからこの際イタリア語もベンキョーしてみようなんて気持ちが芽生えたら、ソレも趣味を充実させるためと思えば、ボケ防止にもなりそうですし、願ったり叶ったりです。語学の観点から申し上げれば、やはり王道は英語なのでしょうから、そういった部分を含めますと旧い英国車が断然お奨めデス。英国の旧車と云えば、真っ先に想い浮かべられるのは、(BMC、BLMC、ローバーの)ミニとその一派(ADO15)や、MGやロータスなどのライトウエイトスポーツ、ジャガーやダイムラーなどの高級車、ロールスロイスやベントレー、アストンマーティンなどの超高級車、変わったところではランドローバーディフェンダーの先祖みたいなヤツと格闘するなんて世界もあります。ドレも魅力的なんですけれど、特に旧車を嗜むに際して必要不可欠なパーツ供給に於いて、DIYの歴史が深い英国には一日の長があります。純正パーツが枯渇した場合でも、純正同等品質の社外品が比較的安価且つ簡単に手に入りますので、長く楽しむコトが可能となります。無論、ミニとロールスを同列に並べて論じるコトは出来ませんが、超高級車同士の比較であれば、旧いモデルに関する維持の容易性では、英国車に軍配があがりましょう。後半生を掛ける価値も見出せます。

 その一方で、先のイタリア車やフランス車などのラテン民族系旧車では言語の壁も手伝って、一段とハードルがアガります。概して比較的簡素な工具で立ち向かえる上に生来の整備性も良い(コトが多い)英国車と比べて、ラテン系のクルマでは「一体、どーしたらコーユー設計になるのよ」である(笑泣)局面が多い上に数多の特殊専用工具も必要となります。工数が多く作業が困難である場合も多々ありますので、プロに任せれば相応の工賃が掛かります。さりとてDIY用にと特殊な専用工具をただ一度の作業のために買い揃えるというのも如何なものかと思います。特にマセラティやフェラーリなどのプレミアムカーメーカーともなりますと、ワークショップマニュアルなどの入手も結構たいへんで、提供される情報も錯綜しがち(頻繁な仕様変更や部番変更があるため)なところが往々にして問題となります。また、サードパーティー製の互換パーツなども、ほとんど期待出来ません。そういった意味では原則的にエキスパート仕様と云えましょう。但し、英国車が全体的に必ずしもビギナー向けというワケでも無いと云うのは論を待ちませんけれどね。

 さらに日本に於ける欧州車の王道と云えば、ドイツ車というコトになるワケですが、旧車となりますと、質、量ともに圧倒的な存在感なのはメルセデスベンツと誰しもが認めるところでしょう。1993年くらいまでのメルセデスをキチンと仕立て上げれば、この上ない充実感を得られるかも知れません。ワタシも若いころに“タテ目”の250CEって云うショートベンツのクーペに乗ってました。その当時既に車齢20年を超えてましたが、フツーにスキー場には行けるし、エアコンもバリバリ効いて、一時期はエース足車として活躍してくれました。VWのタイプⅠ(ビートル)やゴルフⅠも、充分に実用性の在った旧車として印象に残ります。このあたりまでは、或る程度DIYが利くクルマだと思われます。ポルシェは現在も大暴騰中ですね。大昔の356ならともかくとして、911以降のモデルは水冷空冷の別なくプロに任せた方がよろしいかと存じます。

 ドイツ車の続きと、国産車、米車、スエーデン車などは、また別の日にお届けいたしましょう。

 それじゃー、また明日。

5 Replies to “今さらながらの旧車入門講座(その3)”

  1. 旧車は英国車がお勧め、なるほど勉強になりました。
    そういえば、本日街中を走ってましたら、横から素のダークグリーンの190E(ホイールキャップでしたので、アンファングか?)が現れ、しばらく後ろを走りました。
    これまたいいなと思った次第です。

  2. 雨の多い国の英国車なら、日本の湿気もなんとかなる?いやぁならないか?!。
    後は、渋滞ばかりの都内でないところでドライブしたいですよ、旧車のみならず車は。

  3. 単車の話で恐縮です。Z2のマグネットローターが長年欠品で困ってたのですが、数年前に突然英国製のアフターパーツが出回りまして。
    聞けば現地のユーザーグループが企画して作らせたのだそうです。
    まさにたこちゃんの言う英国のDIY文化の一端、思い当たりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です