遺伝子を継ぐもの

 三又鉾印のクルマばかりを扱っていると思われている練馬の自動車屋にも、ときどぉーき、黒跳ね馬印のペッタンコなマシンが入庫してまいります。名付けて「寿司屋の天ぷら(しゃぶしゃぶ屋のステーキ)」。

 先日はオークション会場に居たフェラーリ348tbが、昨日の朝に当店まで辿り着いてくれました。「とにかく、イイ子で有れかし」

昨日の早朝に、いきなり交通量の多い笹目通り沿いで荷降ろしをするハメに(泣)。
左後ろに土支田交番が位置する上り方向なので、グルっと周って帰らなきゃ。
トランスポーターから降ろされたお馬さんに、さっそく乗り込みます。
ガソリンがスッからっぽだったのでヒヤヒヤしましたが、無事に到着。
じゃ~ん!フェラーリ348tb、であります。この午後に、ソッコー予備検査を受検して、無事に合格してまいりました。「イイ子でヨカッタ」と、まずはヒト安心。
で、昨夜は御覧の有様で一夜を過ごしましたが・・・
こうして見れば、ハカらずも同時代の好敵手競演と相成りました。
到着して、直後に撮影したエンジンルーム。コレに魔法(笑)を掛けますと・・・
今朝、場内で撮影した写真では御覧のように。
各結晶塗装には経年で煤けたヨゴレが付着していましたが、ソレを除去いたしました。
後部のエキゾースト遮熱板には、耐熱塗料をエアブラシ塗装いたしました。
コレで、ようやっと黒い跳ね馬らしくなってきたワケですが・・・
エンジンフードの裏側にも跳ねてます。グラスリットのカラーコード。
「はい、エンジンオイルはこういうのを使ってくださいヨ」のプレート。
「高電圧だから、注意しなさいヨ(このウラにコイルが)」なステッカー。
ホントは番号が入ってマス。車台番号とは一致しないので、エンジン製造番号なのかな。
よく見ると、サージタンクは左右非対称の配列です。
こういった場所にも、チラっと跳ね馬さんがいらっしゃいます。
ドアを開けますと、フェラーリ車に独特な皮革の芳香を存分に楽しめます。
ドアの後ろ、ボディ側にはタイヤのスペックを示すステッカー。
そうこうしているうちに、「クーペさんこんにちは、348さんまた今度」。
下回りの梨地ブラックフィニッシュをボディ同色にせよとのオファー。
あらためて、現在の目で見れば短いよな、全長(423cm)は。幅は189cmもあるケド。高さの117cmはBBより1センチ高いくらいだから、充分にスーパーカーの範疇(ワタシの持論では120cm以下がスーパーカーに相応しい車高というコトになっております)。ちなみに車検証上の車輛重量は、ジャスト1.5t。
仕上がってきたら、またずいぶんと印象が変わったモノとなるでしょう。
で、マセラティクーペカンビオコルサがようやく降臨しました。348時代のエンジンからちょっと進んだモノとは成りましたが、優雅なボディを纏ったマセラティなのに、ついついフェラーリサウンドを奏でてしまうという・・・ソレでいて整備込みの総額は348の半額以下なんて、何というお買い得なマシンでありましょうか(笑)。

 ↑というワケで、本日はフェラーリV8エンジンの遺伝子をあえて“亜流”として受け入れたモダンマセラティの第一弾、マセラティクーペカンビオコルサをチラ見せいたしました。この撮影のあと、すぐに中古新規車検を取得して、マイクロ・デポの自社登録車といたしましたので、天気が良ければいつでも御試乗して頂くコトが出来るようになりました。カンビオコルサの「クラッチがすぐヘタる伝説」などに惑わされてはイケません。乗りっぱなしの個体を買うからエラい目に合う確率が増えているダケのハナシです。また5年後10年後に「あ~あ、アノ時に買ってればよかったのに・・・」と悔いてもあとのカーニバル(笑)。マニュアルミッションに比して圧倒的に優れた部分もあったればこその“カンビオコルサ(競技用トランスミッション)”というネーミングなのです。

 如何にクイックで確実なシフトアップ&ダウンが出来るのかというのが、レーシングマシンのトランスミッションギアボックスシステムにとって、最大命題でありましょう。レース時の局面に応じて、必要で最適な効率を発揮する適切なギア比選定のために不可欠のファクターを、日進月歩で技術革新してきた“ある時期に於いての成果”、それがカンビオコルサであったのです。未体験の方々、この機会に御試乗くださいね。

 それじゃー、また明日。

12 Replies to “遺伝子を継ぐもの”

  1. オーナーさんの趣味なんでしょうけど、いわゆるGTB仕様は人気ですね。しかし、私は下がブラックアウトされた前期型が大好きです。幼少期に刻み込まれた憧れのBBを彷彿とさせます。BBは無理でも348ならば…、と妄想を抱き続けております。

    1. マセラティグランスポルトなどのカンビオコルサの持ちと将来的な部品供給に不安があり大変心惹かれていますがびびっています。走り方にもよるとは思いますが、耐久性は2万キロ程度と認識しておくとしても後5年〜くらいしたら交換部分は手に入るものでしょうか?
      それなりにイタフラ車には乗って来てますので免疫はあるつもりですがアルファに乗ってきて今はアルピーヌV6Tに乗っている者です。最近の車にはなかなかときめかずフェラーリエンジン系のマセラティに憧れております。
      何卒、お教えください。

  2. 下回りの梨地ブラックフィニッシュは80年代、90年代に割合い流行っていたように思います。
    私はそれが好きではありませんでした。
    サイドミラーのブラックフィニッシュも。
    たいてい同色に塗っていました。
    ボディを薄く感じさせるけど、なんかヤだった。
    塗ると落ち着いた、どっしりとした感じになります。
    それを求めるのは、私が軽薄なせいでせうか??
    512BBを我が物にするとしたら、ボディはブラックか、他の色だったら同色に塗ります。サイドミラーも。

    アルピーヌV6GTの色はホワイトでした。
    ホワイトの車は好きじゃなかったのですが、アルピーヌのパールホワイトはとても綺麗な色だったので、それを選びました。
    とても速い車だったんですが、阿蘇のミルクロードでスピンしてフロントとリアをぐちゃぐちゃにして小指の骨も折ったけど、またいつか乗りたいと思っています。

  3. 自社登録されたということは、よもや代車にもなるとかならないとか。んなわきゃないかな。ないな。

    328より308、355より348。縦置きか横置きか、それが問題ですが。

  4. マイクロデポさんにフランチェスコ・バラッカ伯爵の紋章が入庫されたのですね。
    寿司屋の天ぷらとは、言い当て妙です。
    浜寿司さん風に言えば、寿司屋の海鮮グラタンかな?これ美味いです。
    (↑オススメ料理をオーダーすると、たまに出てきます)

    三又鉾印の初期ビトルボは没落貴族ですが、跳ね馬さんはホンマモンの貴族なので、シルバートライデント仮面には畏れ多くて、とてもとても。
    しかし、フェラーリがデポさんに入庫すると、348とクーペカンビオコルサがお互いを引き立てあって、もう最高に格別なのであります。
    ああ、どちらも素肌に羽織りたひ。
    ↑結局、羽織るのかよ。。。

  5. 遺伝子、と言う言葉には神秘的な響きがあります。
    遺伝子情報を司る、未知なものを含めた全ての因子、と言う響きが神秘的で。
    一方で、DNAは物質名なので、言葉としては無機的です(有機物なのですが)。
    ですから「走りのDNA」って言葉にかなりの違和感を感じたものです。
    言い換えれば「走りのデオキシリボ核酸」・・・う~ん、違和感満載です。
    やっぱり、遺伝子と言う言葉がしっくりくるのです。

  6. 348、いいですね。
    エンジンルーム仕上げて、ウチ(デポ)の子になりました。
    下回りの同色化、これまた楽しみです。

  7. どちらも羨ましい限りです。
    そういえばうちのカンビオコルサさんは、運転席のウインドウが下がる例のギミックが壊れました。(笑)
    乗り降りが大変です。🤣

  8. 他の車両もやたらとエンジンルームが綺麗で引き付けられていましたが、すごい技をお持ちで。
    ここのところ過去を含めブログ読みまくっています。

  9. 場内は
    ロッソ三台
    イタ車の

    なかなか豪華なロッソ三台で、さらに外にはブルーのクーペさんが。羨ましい限りです。

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