ベントレーターボRLを点描する

 本日も、例によって夜が白んでくる頃には目が覚めました。昨日のツカれはサワヤカにスッとんでいる模様です。やっぱ寝る直前にせんねん灸を据えたのが効いたのかも(ジジくさい:笑)。で、夜明けと同時にアパートを出ましたが、雨はまだ降っていなかったので、降雨が始まるまでの時間くらいは屋外作業でネバろうと、昨日に引き続いてベントレーの細部仕上げを・・・

ベントレーターボRL(「藤沢のO」さん号)を早朝から引っ張り出してみました。
昨日、細かいところを9割くらいまで攻めました(笑)ので、結構イケてます。
ノーズのフライングマスコットはノンオリジナルですが、良く似合っています。
エイボン製ターボスピードなんてレアなタイヤは、この車専用なのでは?
熟練の職人が二本の筆を持ってピュ~っと一気に引くと云われる子持ちストライプ。
ノーズの複雑極まるR面の複合は、地味ながら高級少量生産車ならではの芸風。
一方で、細かいチリなどは、あんまり考慮していない。しかしソレでいい。
サイドスカッフプレートに乗っかっての撮影。意外にも繊細な造形です。
ノーズを先ほどとは反対側から。ト〇タにゃマネ出来ねぇ?
運転席のドアを開きますと・・・
樹脂のパーツなど一切使われておりません。この時期のクルマにあって、コレがスゴい。
ボルトのアタマがマイナス(擦り割り)なのが、切削加工による手作りを示唆。
感動的なまでにメカニカルなドアストッパーヒンジ。
Bピラーに設けられたリブの立ち上げ。おそらく面倒な工作を必要とします。
インテリアは、装飾品も無く存外にシンプルなものです。
このあたりには樹脂が登場してしまっています。少し残念なところです。
極く小さなステアリングコラムカバーにも革装が施されています。
この個体の仕立ては、外装色に合わせたブルー革にレッドパイピング。
左リアドアを開けて見ますと・・・
ブ厚くクロームメッキの掛かった金属製の灰皿とシガーライターが。
助手席のドアを開けば・・・
ヒンジの上にはプレートが・・・
このプレートだけでも、大いに所有欲を満たしてくれるコトでしょう。
一枚モノのウッドパネルは、クルー製ロールスロイス&ベントレーのイコン。
ウッドと革の競演は見る者を飽きさせません。
リアシートにも電動スライド機構を装備。最前端まで座面を出した状態です。
その目の前には、ふたつ並んだピクニックテーブル。
使用状態がコレ。本家特製のサンドウィッチとオレンジペコティーを所望(笑)。
右リアドアを開けてみますと・・・
見上げた天井は、シンプルかつ上品な仕立て。奇をてらったところはありません。
ソトに回って、ルーフ後端部の処理。手作りの風味が光ります。
リアトランクフードを開けてみましょう・・・
トランク開口部周りのホレボレとするような造作と、工作の仕上げレベル。
ラゲッジスペース後端部のボディ処理。素晴らしいの一語に尽きます。
ラゲッジスペース開口部の前端を覗けば・・・
凝った造りのキルスイッチまでもが標準装備されています。
ラゲッジスペース奥のカーペットをハズすと引き出せるジャッキセット。
撮影のために降ろしてみたら・・・「重てぇ~!」なんとか元通りに戻しました。
美しく長大なボンネットフード。
大きなフロントグリルを残しつつ、逆アリゲーター式に開閉をいたします。
6.7リッターのウルトラ級大排気量にターボまで付けちゃったユニット。
ハイドローリックミネラルオイル(LHM)を高圧ポンプで圧送する仕組みのブレーキシステムとサスペンションレベライザーを、シトロエン社に特許料を払ってまでも装備した当時のロールスロイス社。賛否両論ありますが、やはり優れたメカなのでしょうね。
エンジンオイルフィラーキャップも、他には無いようなシッカリとした作り。左側のヒンジを支点として開きます。
絶大なるトルクの源泉、ギャレット製の大口径ターボチャージャー。
エアコン吹き出し口も金属製。ネタネタ症候群(笑泣)とは無縁です。
ラゲッジスペース左側のカーペットから生えている金属輪を引きますと・・・
こうして、マニュアル操作でもフューエルフィラーを開くコトが出来ます。もちろん、通常は電動によるリリースです。
こういったリリース機構部分も全金属製。信頼感と動作タッチが樹脂製のモノとは違います。但し定期的な給油は必要でしょう。
まだまだ細かく攻める部分は残っておりますが、手に入れてヨカッタと感じて頂けますように、との一念で、調製してまいります。

 ↑このような時期だからこそ、職人芸とモノ作りの良心が結晶したよなクルマに関われるコト自体を心から感謝しております。ヨーロッパのクラフトマンシップが、新コロによって失われませんようにと祈りつつ・・・ワタシも欲しくなってきちゃった、SZ系と呼ばれる英国クルー工場製品車を。

 それじゃー、また明日。

只今、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言の主旨に鑑み、一切の小売(車輛本体・中古部品・新品部品・各種油脂類他用品・自動車関連の古本・自動車関連のヴィンテージ小物)と整備修理車検等メンテナンス部門の御依頼を承っておりません。顧客の皆様には、著しく御不便をお掛けいたしますが、何卒御理解の程お願い申し上げます。

7 Replies to “ベントレーターボRLを点描する”

  1. 電動で開くフューエルフィラーなんてあったんだ…。
    高級車ってそういうものなのかな?
    まぁ、縁がないんだから知らなくてもしょうがない。(笑)

    ベントレーターボRL、詳しく知れば知るほど魅力的なクルマですね❗️
    こんなクルマをガレージに納められる「藤沢のO」さまが羨ましいです‼️

  2. よく見ると、凝った造形であることがよく分かりました。
    ジェントル且つ滅茶滅茶速い。
    TURBO RLが誇らしいです。

  3. 雑誌で眺めたり、街ですれ違ったことぐらいしかないですから
    こんなに微に細に至るまでまじまじと観察したことはありません。
    職人技クラフトマンシップの塊ですね。
    もうこれからの世の中では二度とでないと思います。

  4. ベントレーを、こうも写真付きで詳細に解説していただく機会など滅多に無いので、楽しいです。
    内装に樹脂部品を使わないとなると、この高級感がハンパ無いです。
    まるで、ベントレーの車内は、さながら貴族の書斎。
    ベントレーのシートにもたれかかり、ゆったりとパイプ煙草でも吸って過ごしたいものです(ワタクシ煙草はすえないのですが)。

    このブログは自粛引きこもり生活のオアシス。
    ありがとうございます。

  5. 「高級車のオーナー」と掛けて
    「幕末の薩長」と解きます
    その心は
    「上位(攘夷)を目指す」でしょう。

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