或るマイスター・テクニシャンと・・・

 春は色々なところで別れの季節でもあります。そして同時に新たな旅立ちの時でもありますね。入学・卒業・就職・転職・退職・・・それぞれの人生の転機も年度末の関係からか、3月一杯から4月のアタマに設定されているコトが多いモノです。ワタシたちも、或るひとりの優秀なマセラティ・マイスター・テクニシャンが自主的に引退なさるという話をいきなり御本人から聞かされて、今まで長い間懇意にしていたので、まさに青天の霹靂といった趣きではありました。先だっての土曜日には、その引越しの一環として彼が愛用していた機材の数々をワタシたちが引き継がせて頂くため、大きなレンタカーを借りてまいりました。

土曜日の朝一番に大きなレンタカーを借りてきましてね・・・
珍しいので、シゲシゲと眺めてみると・・・
スゴいな。ナンもカンも露出してるという・・・国産車って偉大だ。
さぁ、出発。空荷だと、なんだかうしろがスッカスカですね。
三又鉾印のディーラー工場に御邪魔いたしました。
今まで、何かと御世話になってきたマセラティ・マイスター・テクニシャン氏と。
今まで工場内に設置してあった彼の私物を譲り受けるコトに。
重量物ばかりでしたが、どうにか車内に積み込めました。
「今まで本当に御世話になりました(再度、心の中でペコリ!)」
光が丘公園は桜が咲いて春爛漫。一方で、ワタシたちのココロは一抹の寂しさで北風吹きまくり(泣)でした。

 ↑本邦には数えるホドしか存在しないマセラティ・マイスター・テクニシャンの称号を持つメカニックの御一人であったのですが、御本人にも色々と思うところがあって、このたびメカニック業自体をヤメる決断をしたのだそうです。「これからどうするの?」「とりあえず、まずは旅に出ます!」と輝く笑顔で仰られたのが“ヤリ抜いた漢の顔”といった明るさで、とても印象的でした。ソレにしても、本当に腕のある職人肌のディーラーメカニックさんが、また一人居なくなってしまうのかと思います時、やはり時代とは云え寂しさを禁じ得ません。「旅から帰ってきたら、換気の良い(笑)ホルモン屋で呑みましょう!」「その時は、ぜひ。」・・・少し気持ちがスッキリしたら、今度はウチのシゴトも手伝って欲しいナと念願しております。元気に帰ってきてくださいね。

 それじゃー、また明日。

9 Replies to “或るマイスター・テクニシャンと・・・”

  1. 何はともあれ、お疲れ様でございました。
    私も現在コロナウイルスを起因とした経済戦争と死闘を繰り広げておりますが、このマイスター様のように「やり遂げた後の境地」という桃源郷に向け、邁進していきたいと思う次第です。
    皆様も、呉々もご自愛くださいませ。

  2. どの業界も人材不足で。
    熟練の職人は貴重で。
    それでいて、何かとコスト安で職人のスキルに応じた対価が支払われ難い世の中になったようで・・・業界にもよるのでしょうが。
    就職したての頃、自称「世界一の職人」を数多く見てきましたが、その多くはテングになった独り善がりの残念なヲヂさんでした。
    一方で、本当に凄い職人さんもいました。
    彼等のこだわりは、純粋に日本的な探究心と好奇心に起因したのだと思います。
    マイクロデポしかり。
    この国を支えているのはモノ造りだと思うのです。
    職人にリスペクトを。
    マセラティマイスターテクニシャンの行く末に幸あれ。
    機会があれば、ホルモン屋さんで語りませう。
    シルバートライデント仮面はダメ人間なのですが、よろしければ。。。

  3. マセラティ・マイスター・テクニシャン様の今後の行く末に幸あれ。
    たこちゃんの一抹の寂しさ、伝わってきます。
    ココロに秘めて、頑張りましょう。

  4. マセラティ・マイスター・テクニシャンさま、良い旅を!
    日本と世界と両方見てきてください。

  5. 退職するから私物をってフツウは段ボール1箱程度でしょ。
    なんだか工具を通り越して専用機材の重量物が多数…
    ソレ普通は会社が購入するやつですよね…
    相当のこだわりを感じます。
    そしてそれを潔く全て一括譲渡
    決意の固さを感じざるを得ません。

    旅に飽きた頃
    趣味の範囲で昔を懐かしんで
    (ませらてぃHEN鯛道の血が騒いで
    デポさんの工場で作業を手伝っていたり?

  6. 旅立ちの
    春は花が
    咲き乱れ

    春は別れの季節、別れて出会い、極めし者は、また次の段階に旅立ち。退職して、旅に行きたいけれど、コロナが邪魔をしてくるから。。。

  7. 熟練、カンコツ!マニュアル頼りで無くて五感と第六感。
    以前光栄にも、何度か「黄綬褒章/現代の名工」の推薦文を書かせて頂きました。この際も本当にマイスター、という言葉が、一人の人の生き様なんだなぁ、と実感したのですが、本当にマセラティ•マイスター•テクニシャン様のお陰でこうして我々も安心してマセラティに乗れていたのだと思います。

    どうか素敵な旅でリフレッシュし、新たな第一歩が素晴らしいものである事をお祈りしております。

    で、マイクロデポをお手伝い下さい!!!(苦笑)

    本当にお疲れ様でした。

  8. 日本で4人目の「マセラティ・マスターテクニシャン」誕生
    2015.10.20
    https://trafficnews.jp/post/44619

    すみません、個人名でちゃってますが…
    記事を見つけてしまいました。
    (どなたかまでは分からないということでお許しください。)

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