ヴェトロモンターニャ2019参加レポート(by「りゅたろう」先生 またかよ:笑)

 実はその当日にもね、「りゅたろう」先生御本人からショートメールやメッセンジャーで、随時画像付きの現地状況を御知らせ頂いてはいたんですが、コチトラその日曜日には先生のアストンマーティンV8クーペに会うために横浜方面へ行ってたりして、画像加工を要する(モザイクなどの細かい処理がスマホでは出来ないモノで・・・)写真を大量投下する必要のある当ネタを皆さんに開陳するコトが出来ずにおりましたら、先生、業を煮やしたか(笑)「オレが書いちゃる!」とさらなる男気を発揮してしまい、またまた昨日は夜なべシゴト。とうとう当ブログ用の原稿を一気に書き上げてくださいました。ワタシゃ校了のシゴトだけやりゃイイんですケドね、画像30枚に見知らぬヒトの顔々が写りこんでるのを加工するダケでも結構ホネが折れるんすから・・・ま、ワタシのテイストとは違う、「りゅたろう」先生の名文をお楽しみアレ。

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岡本たこポン和久様

ヴェトロモンターニャ高野山参加記を送りました。
でも、僕ばっかりこんなことを書き送るのはちょっといけないことなんじゃないかとも思ってしまいます。
常識ある社会人ですから。
お任せいたします。
でも振り返ることが楽しかったですぅ。
来年、デポ顧客みんなで行かない?参加しない?慰安旅行で。

伊藤龍太郎 拝

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 時々、たまにデポのブログは車屋さんのブログだということを忘れそうになってしまいます。

 毎日毎日書き続けるというのは、本当に大変なことだと思います。
ネタになれば、とこれも送ってみました。

 去る10月26日、27日、第28回高野山VETRO MONTAGUNA 2019にJENSEN541で参加してまいりました。

フェリーターミナルでおとなしく佇むJENSEN541。これがギブリⅡだったら、低くうずくまった獣のようなかっこ良さがあるんですが、541は何となくポヤンとしています。神戸行きのフェリーに乗ります。
とりあえずフェリーに間に合って、出港直前で嬉しがっている私です。

 たいして揺れもせず、7時55分に神戸着です。ここからは高速で最初の集合場所「柿の郷 くどやま」の近くまで高速です。1971年ポルシェ911タルガや1967年DS19の方々と泉大津SAで待ち合わせです。

 はい、早速私はトロかったです。分岐を間違え逆方向に。Uターンして安心したのもつかの間、泉大津SA直前でエンジンストップ。いかにもガス欠のような止まり方です。これはまずい!と車体をゆすると再びエンジンがかかります。旧い車で後ろにタンクがある車は、ゆすると残ったガソリンが行ってくれてエンジンがかかってくれることがあります。非常駐車帯に停め、JAFと541の主治医のUさんに電話しました。待ち合わせにはもちろん間に合いません。というより、参加以前に断念と感じました。さすがにあせってしまい、ここら辺の写真はありません。でも、ガソリン一杯だったはずだけどなあ・・・

 JAFが10Lガソリンを入れてくれると、何事もなかったかのようにエンジンはかかり、アイドリングは安定しています。非常駐車帯では危ないので、停まることを覚悟して泉大津SAまで行きました。ここでUさんを待ちます。

 豪快なエキゾーストを響かせ、真っ黒の低いAMG5LターボがすごいスピードでSAに入ってきました。これは見てちゃいかんと顔をそむけたのですが、Uさんでした。相当飛ばして駆けつけてくれました。20Lさらに追加して出発します。AMGが先導してくれますが、時々我慢できないのでせう、ガッと飛ばしておりました。

 で、何事もなく「柿の郷 くどやま」着。翌日このストップの原因は、燃費が悪いわけでもなく、ガソリンが漏れているのでもなく、原因は「電気」ということがわかりました。

参加受付。ちゃんとブレーキランプやウインカーなどの作動に不具合がないかをチェックされます。
今年のパンフレット。
調子こいてヴェトロとは何の関係もないアストンの話を書いちゃいました。いや、総監督がデポのブログに書いたあれを読んで、今年のパンフに書け!とおっしゃったんです。こんなふざけたのを書いていたのは私だけでした・・・・馬鹿なんですぅ。
到着してほっとしたところ。隣は1934年アストンマーチンです。ドライヴァーは、推定80歳超え。DB6で参加予定が、出発直前に故障したらしく、急遽さらに古いアストンで自走で参加していました。

コックピットに突き出ているミッション。コックピット周りは木でできています。ペダルの造形も美しい。
いつもは70から80台の参加ですが、今回は趣向を変えて温泉旅館1軒丸ごと貸し切りで、56台の参加です。オフホワイトの車は1947年 MG TC Midget。
一つ一つ手作りのペン立てです。
541の前にちょっと考えた1961年  GIULIETTA SS。丸くないこのお尻にも大いに惹かれます。 ちょっと変態だもんねぇ。
PANTERA 1972年のものをGTS仕様にしたものです。かっこいい!!

 「柿の郷 くどやま」を出発し、高野山に入ってもう一度ガソリン補給しました。龍神スカイラインをみんなで走ります。宿泊する温泉旅館まで約80Kmです。登りは余裕で良かったのですが、下りは必死、死に物狂いでした。全く効かないドラムブレーキ、遊びが30°くらいありハンドル、重たい車体、濡れた落ち葉が敷き詰められている道路。ハンドルにしがみつき、アクセルとブレーキを必死で踏んだり緩めたり、ドリフトまでやってしまいました。翌日、上腕の痛みが出ました。こんなところで突っ込んでしまったら、どうにも取り返しがつかないとの恐怖でした。みんなは、相当早く駆け下りて行ったと言っていましたが、本人は必死で転がり下りたという感覚です。宿について心からほっとしました、今日何度目の「ほっ」かわかりませんが。

 今年で28回目となった高野山VETRO MONTAGUNAですが、今までは高野山の宿坊に泊まっていました。スケジュールもかなりタイトで、ゆっくりと高野山観光はしたことがありません。たこポンご夫婦とご一緒した時も。たこポンたちは後日ゆっくりと高野山を訪れたそうです。そりゃ当初は珍しくて、なんか特別なイヴェントって感じがしていました。最初のころは参加者も若く、懇親会の後高野山にあるスナックや誰かの部屋に集まって延々と車談義したものです。ある時からこのイヴェントは大々的な参加者募集をしなくなり、知る人ぞ知るイヴェントになりました。必然的に、新しい参加者はあまりおらず、以前からの参加者はみなお年を召されることとなり(私も初めて参加した時は30代でした)、懇親会の後は集まったりしなくなりました。だから私も20回位参加していながら、話したことがない方々も多かったのです。

 イヴェントの総監督佐古さんが、永久参加者夏木陽介さん(たこちゃん注:昨年この世を去られた俳優でレーサー・ラリーストでもあった故夏木陽介さんは、このイヴェントの草創期から毎年楽しみにして御参加され、文字通りに立役者でありました。ワタシが参加した際にも気さくに話しかけて頂き、言葉を交わしたのは佳き思い出となっております。)との間で、いつか龍神温泉で宿泊するイヴェントをすると約束されて、今回それが実現しました。

 参加者には大好評でした。宿坊もいいんですが、温泉はすごく気持ちいいし(日本三大美人の湯だそうです)、ご飯はすごく美味しいし(地のものを使っていました)、スケジュールがゆっくりしているので、温泉やロビー(貸し切りなので)で見たことはあったけど今まで話したことがなかった方々とたくさん話が出来ました。この気持ち良さ、心地良さを知ってしまったので、ぜひ来年もこのような形でやってほしいと、個人的には思っています。

 ところで、このような旧い車のイベントに参加されている方々は、ほとんど例外なく話し好きです。ちょっと難しい顔をしていても、車のことを聞くと嬉しそうにいろいろ話してくれます。このようなイベントに行った際には、どんどん話しかけてみてください。

宿の前の駐車場に並べます。 可愛いアバルトです。1957年 750GT Zagato、天上界の住人です。
ポルシェは356と911で8台参加していました。
なんか味わい深い1967年911Tの6気筒エンジン。

1966年 メルセデス300SEクーペは優雅な佇まいです。
翌朝朝霧が少し出ていて、眼下には川(名前はわからない)が流れていました。
お風呂にもう一度入って出発です。目指すは世界遺産 熊野本宮。
途中「龍の郷」というドライブインで思い思いに休憩です。毎年参加している1989年カウンタックアニバーサリーのカウンタックバック。みんなの注目の的です。助手席にはお嬢さん。小さくて可愛かったお嬢さんも、今やギャラ付きじゃないと来てくれない中学生になりました。
PANTERAの助手席は息子さん。今年医学部合格!とっても強面のドライバーですが、昨年停まってしまった時にとても親身になって助けてくださった方です。
美しく可愛い1969年DINO-L(たこちゃん注:ティーポL=要は初期型のコトかな?)。今年はフェラーリはこの1台だけでした。
1963年と1966年のE-Type。いつかもう1度持ってみたいですが、ちょこっと天上界です。
ブルーのシャツの方はJensenさんとおっしゃるそうです。
きれいな平安巡礼姿のお嬢さんとうれしい写真。
真ん中のサングラスのおっさんが、佐古典英総監督。すげえガニ股。絶対膝を痛めるなぁ。

揃ったところで本宮へ続く長い階段を上って、ご祈祷、平和へのご祈念をいたしました。
もともと本宮があったところに続く鳥居です。明治22年に水害で流されました。

 ご祈念が終わって、美味しい鮎の塩焼き、豚汁のついた地元のおばちゃんたちが作ってくれたお弁当をいただきました。無論!鮎、豚汁ともにお替りいたしました。おばちゃんたちが喜んでくれて、豚汁は溢れんばかりについでくれ、鮎は一番大きいのを下さいました。感謝!!

 この後は「海鮮せんべい南紀」でお別れパーティ、各賞の表彰などがあるのですが、私はフェリーの時間があるので、途中でみんなとお別れです。名残惜しい。

 で、順調に高速道路を走っていたのですが、紀ノ川SAでガソリン補給をした時エンジンがかからない!バッテリーが死んでました。つないでもらってすぐかかったのですが、おかしい!バッテリーはビンビンだぜ、のはずだったのに。主治医のUさんに連絡すると、何かあった時のために「海鮮せんべい南紀」で待機していたそうです。高速を走りながら連絡していたので、あせってしまってまた分岐を間違えてUターン。トロいです。ポジションライトでトロトロ走っていたら、バキューンと追い抜いていくAMG。すさまじく速かったです。

 神戸フェリーターミナルまでは時間的に無理とのことで、大阪南港のターミナルに。Uさんは、乗船ぎりぎりまでいろいろやってくれました。本当に頭が下がります。ここで今までの不調はバッテリーがショートしていたためと判明しました。本当は右(+)なんですが、左(+)になっていたので(いただいたバッテリーです)バッテリーを前後逆につけて、固定の金具もしっかりとつけていたのです。その金具と干渉してたまにショートしていたようです。だからガソリンポンプが働かなくなり、ガス欠の症状が出たらしいです。本格的に干渉、ショートしていたら…車は燃えます、タンクが爆発します。本当にぞっとしました。

 今年は今までになく反省してばかりでした。確かに旧い車を維持し、走らせるためには様々な方々の助けが必要となりますが、今年はあまりにも情けなかった。まずは私の走り込み不足。正直に言います。今年のヴェトロのために走ったのは20Kmあまりでせうか。あまりにも走り込みが足りません。そのためいろいろなトラブルが生じるたびに主治医に連絡して助けを求めてしまいます。不安だったのでしょうが、昔はもうちょっと自分で頑張りました。すっかりひ弱になってしまいました。Uさんがいなければ完走どころか、参加も危うかったなんて・・・情けない!!猿でも出来ますが、反省です。でもものすごく楽しかったです。

 さっき新規募集は積極的に行っていないと書きましたが、決して閉鎖的なイベントではありません。みんなも参加できます。新しい、クラシックな車でなくても大丈夫です。ゲスト参加扱いですが、一緒に走るのには変わりありません。大丈夫です。もし、俺も行ってみたいな、という方がいらっしゃったらどうかお知らせください。事務局に取り次いでみます。

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 (ここからたこちゃん)ホントに皆さん御一緒に、ヴェトロモンターニャ高野山に参加するのが実現すると嬉しいですね。「そんなのムリだよ~」という勿れ。かの夏木陽介さんが当イベントの第14回開催時に寄せた文章にも「自分でも良く解らないが、年の暮にスケジュール手帳を買うと11月の一週目の土・日曜日と12月の最初の週末には一番に赤丸を書いてしまう。この赤丸は絶対に他の予定を入れないという印である。(ヴェトロモンターニャ2019のパンフレット~“ありがとう!夏木陽介さん”より)」とあります。要は本人のヤル気次第ってコトなのでしょうね。あ、ホルモン月例会も今週土曜日ですヨ!まだまだ空きがございます・・・今月はイト寂し。常勤さん、非常勤さん、初めての方も、御参加表明どしどしお寄せくださいねっ!

 それじゃー、また明日。

9 Replies to “ヴェトロモンターニャ2019参加レポート(by「りゅたろう」先生 またかよ:笑)”

  1. 申し訳ありません。
    冒頭の会話みたいなのはなく、単に僕が勢いで書いてしまったものです。
    職人さんですから、乗るとがっつりやりますが、乗ってないとダラダラしてしまいます。
    高野山が終わった後になんか書いていたのですが、どういうわけか、一瞬で消えてしまいました。ずっと放っていたのですが、台湾お食事紀行を書いて乗っちゃったんですね、勢いで書いてしまいました。

    デポのブログの読者さんたちの中には、なんだこいつ、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
    どうも申し訳ありません。

  2. ↑「なんだこいつ」ではなく「○鹿なんだこいつ」←最大級の賛辞のですが。

    台湾といい、高野山といい、見習わなければなりません(一部手本にできないものもある?(笑))!

  3. 高野山にて、煩悩をくすぐる楽しげなイベントが毎年、開催されている事をこのブログで教えていただきましたが、りゅたろう先生は20回も参戦されている強者だったとは。
    さすがです。
    パンフレットの写真と文章も、素敵です。
    損得勘定やら効率しか考えねのなら、人生はつまらぬ。
    面倒なクルマを操って、多くの方々に支援され、コミュニケーションをとる事こそ、心のゆとり。
    贅沢な過ごし方。
    りゅたろう先生は人生の達人であります。

    ようやく、マイクロデポにワタクシのビトルボEが入庫したのですね!?
    機は熟しました。
    後程、チェロを抱えたシルバートライデント仮面が登場する予感・・・。

  4. りゅたろう先生、読み応えのあるお話ありがとうございました!
    大変興味深く拝読致しました。
    高野山と高尾山が最近までごっちゃになっていた僕ですが、高野山に行ってみたくなりました。😍👍✨

  5. りゅたろう先生の力作、ありがとうございました。ただいま熟読させていただきました。(小田原での飲み会の帰路…)
    高野山でのイベント、30代から出走し続ける真面目さ、根性、執念?、称賛の一言です。しかも、バッテリートラブルを抱えながらの走行、孤高の闘い、手に汗握る緊張感、よく伝わってきました。(熊野本宮は昨年行ったのでどんな道かわかっております。)

  6. 素晴らしい名文。
    手に取るように伝わってきました。
    バッテリートラブルにも負けず、よくぞ走り切りました。

  7. こんばんわ。
    シルバートライデント仮面と申します。
    マイクロデポを盛り上げる為に参上しました。
    その正体は仕事に疲れたしがないサラリーマン。
    癒しを求めてこのブログにやってくるのです。
    ワタクシが素肌にビトルボを着るキャラになったのは、数年前のこのブログの中で。
    記憶をたどれば、マイクロデポの銀座のショールーム構想を夢想したのが始まりで。
    招待されてもいないのに、その開設記念パーティーに向かうシルバートライデント仮面。
    エルメネジルドゼニアのスーツが欲しかったけれども、ベルルッティのプレタシューズを購入した為にネクタイしか買えず。
    仕方無く、全裸にベルルッティとゼニアのネクタイを羽織り、ビトルボでデポショールーム開設記念パーティーに向かうシルバートライデント仮面。
    神奈川県警のパトカーが不審なビトルボを発見。
    ビトルボとパトカーのカーチェイス。
    ・・・そんなコメントが、ビトルボを着るキャラの誕生だったかと。
    あくまで、このブログを盛り上げる為のサービスであります。
    常識人のワタクシメ、そんな非常識な事をするはずがありませぬ。
    ここ暫く、ワタクシメのドレススーツのビトルボはH自動車さんに保管いただいておりましたので、着る服が無くて、不本意にも全裸キャラでおりましたが、ビトルボがデポに入庫したとの報告を受け、機は熟した次第。
    タイミング良く、敬愛するJポップ初のチェロボーカリスト、分島花音さんが素晴らしい新作ミニアルバムを発売されました。
    これに感化され、シルバートライデントは素肌にチェロを羽織り、ホルモンの宴に参加する次第。
    分島花音さんに憧れてチェロを購入し、肝心のドレススーツを買うお金が無かった事にして。

    分島花音さんの素晴らしさを伝えたいあまりの比喩表現で、やってませんから。
    ああ、大脱線コメントにつき、たこちゃんも分島花音さんも、迷惑かも?
    でも、大脱線ついでに次回は分島花音さんの素晴らしさを語りたいシルバートライデント仮面なのであった。。。

  8. 高野山
    好きな車で
    ぶっ飛ばす

    良いイベントですね、愛でる車に乗り、仲間とツーリングして、美味しいものを頂き、温泉で疲れを癒し、酒酌み交わし、来年の再開を誓う! 最高に贅沢ですね。これで愛車の調子が良くて、助手席に最愛の○○が機嫌よくて、天国極楽でしょう!

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