マセラティギブリⅡ後期型、バラしてみれば・・・

 あー、3月も大ラスの土曜日となりました。気が付けば平成時代も、もうじき過ぎ去ってまいります。斯くも時代の流れは速すぎて過酷だなぁ。そんな本日、朝からお三方がお越しになってくださいました。このブログへの日々のコメントをくださる皆さんも、メールや電話でのお問い合わせも、御試乗のために御来店くださる皆さんも、すべてがワタシにとりまして日々の励みとなっております。本当に心から感謝するものです。

マセラティギブリⅡのルーフレール分解作業開始直前風景
どうしても、スポイラーと左右ルーフレールをハズせ・・・ってさぁ(泣笑)。
マセラティギブリⅡのAピラー根元に浮き出たサビ
パッと見はなんでもないよに見えますが、表面の塗装はピンポイントで浮いてます。
マセラティギブリⅡのカウルトップスポイラー分解風景
カウルトップパネル上のスポイラーは、ウンウン唸ってようやくハズれました。

 ↑懸案はヤマほどあれど、日々が匍匐前進であります。鈑金屋さんから連絡がありまして、「紺色ギブリのフロントフェンダー塗るのに、ルーフモールをハズしてくださいよぉ~」だって。「そんなの、そっちで出来ないの?」「・・・だって、マセラティ難しいんだモン。ナンか有っちゃイケませんから」「あー、わかったわかった!明日イケたら行ってあげるヨ」

 現場に赴きまして、さっそく作業開始。まずは、フロントカウルトップスポイラーをハズすところからなんですが、コレが地味ながら難行苦行な作業なんです。たった3つの8mmナット&ワッシャーをハズすダケなんですが、バルクヘッド内の臓物(ワイパーユニットAssyなど)が付いたままで工具と手を指し入れなければならないために、いつもワタシなどは、後ろ向きで手先のみをバルクヘッド内にイレつつの手探り作業となったりしています。

マセラティギブリⅡのクォーターウインドー上部シリコンシーラー除去作業
ガッチリ着いたシリコンシーラーは、樹脂ベラを用いて地道に掻き出します。
マセラティギブリⅡのAピラー根元に堆積した汚泥
経年で溜まりに溜まったドロやら枯れ葉やら。サビてはいないので御安心を。
マセラティギブリⅡのルーフモールをはずしてシーリングを見ているところ
黒丸部分は、貫通ボルトを室内側に通すための穴のシーリングです。
マセラティギブリⅡのクォーターウインドー上部シリコンシーラー除去作業後
まぁ、なんでも舞台裏は見るもんじゃありませんケドね(泣笑)。
マセラティギブリⅡの左ルーフモールをはずしたところ
コビりついたヨゴれではありません。水拭きすれば御覧の様に、まぁキレイ!

 ↑次に、本題の左右ルーフモールをハズす作業です。まずは、先のカウルトップスポイラーの左右端にあたる部分の下にボルトが隠れています(だからスポイラーをハズすのが先に行われます)。と、ココまでは、ボディの外側からハズす工程ですが、今度はルーフサイド部分の3箇所にある貫通ボルトを解くために、ドアウェザーストリップと室内の各トリムをハズして、その裏側のボディに開いた穴の中に見えている(あー、ややこしっ!:泣笑)8mmナットを緩めてハズす工程を済まさねばなりません。

 ココまでやっても、経年したルーフレールはビクともしません。最後に、クォーターウインドー上部に打ってあるシリコンシーラーを周囲にキズを付けぬように掘削(笑泣)して、あぁ~んなコトやこぉ~んなコトをすると、左右のルーフモールがようやくハズれてくれました。

 ところで、今までハズしたギブリⅡのルーフレールはすべて鉄製でしたが、今回ハズしたモノは樹脂製でした・・・時代に拠ってバリエーションが在るのを今まで知らなかったです(つか、コレをハズすハメに陥るコトがメッタに無いモンなぁ)。樹脂なので、今まで通りの策が通用せずに往生した側面もありましたが、どうにか突破いたしました。

 ルーフモールをハズしてみれば、長年堆積したドロヨゴレちゃんたちがゴッソリと白日の下に晒されましたが、新品のマイクロファイバークロスを水に浸して、そっと拭き上げましたらキレイになってくれました。意外にもコビリ付いてはいないモノでヨカッタわ。

マセラティギブリⅡのAピラー根元ダメージ
突いてみれば、御覧の様に。Aピラー根元はハンダの劣化(浮き)です。
マセラティギブリⅡの右ルーフモールをはずしたところ
ルーフガーニッシュをハズしたあと、いったん下地を拭きあげて清浄にしました。
マセラティギブリⅡのCピラー
Cピラーにも微細なアラ(飛び石痕など)がありますので、各部を詰める必要あり。
マセラティギブリⅡのボンネット
マセラティギブリⅡ後期型(「昭島市のM」さん号)、ボンネットも塗らなきゃ・・・

 ↑「フツーの中古車屋さんは、こんなコトまでやらないっすヨ。きっとそのまま現状で売りますヨ。こんなのやってるのシャチョーんトコだけっすヨ。」とホメてんだかケナしてんだか、鈑金屋さんがワタシを茶化すのを聞き流しつつ、「はい、ココ。あ、アッチもね・・・」と、要補修箇所を再度指摘し、細かくマーキングの上で作業指示してまいりましたヨ。

マセラティギブリⅡのアルミホイール修理風景
コチラは、また別のマセラティギブリⅡ後期型(「中央区のT」さん号)です。
マセラティギブリⅡのアルミホイールをマスキング中
タイヤの空気を抜き、リムとビードの間にスキマを作ってマスキングしています。

 ↑コチラは同じマセラティギブリ後期型でも「中央区のT」さん号。只今、継続車検のためお預かり中ですが、「ついでに」とアルミホイールの補修塗装を御依頼頂きましたので、こうして只今絶賛作業中デス。

 それじゃー、また明日。・・・今週はブログ引越しのため皆さんに諸々の御心配をお掛けいたしましたケド、おかげさまで、どうにか週内通常稼働復元が叶いました。皆さんの御協力と忍耐に、大感謝デス!

7 Replies to “マセラティギブリⅡ後期型、バラしてみれば・・・”

  1. 冬に戻っちゃったような気温の中、匍匐前進お疲れ様です。
    隅から隅までご存じかと思いきや、新発見もあるんですねぇ。
    人間、いくつになっても勉強ですなぁ。見習わなくっちゃ!

  2. ルーフレール根元の錆、ギブリⅡにあり得そうですね。
    確かに、ここまでハズさないと修復困難です。
    いやはや、ご苦労様です。

  3. 本業だけでも忙しいのに、ブログトラブルでのバタバタ…
    今週もお疲れ様でした。
    明日はゆっくり休んでくださいね!

    「昭島市のMさん号」も普段は目にすることの無い部分まで
    綺麗になってスッキリですね!
    他では決してやらないところまで手を入れるからこそ
    安心して乗れるデポ謹製のマセラティ。
    これからもどうぞヨロシクお願い致します!

  4. マイクロデポさんはフツーの中古車屋さんではありませんから。
    アブノー○のクルマ屋さんなもので。
    こんな面倒な作業もやっちゃうのです。

    しかし、この内外装は、まさに理想のギブリ。素敵です。

  5. ギブリのルーフモールとフロントカウルトップスポイラーを外した様子って初めて見たかもです。シャマルのルーフモールが外れたところもみたことないしな。。。なかなかの貴重画像です。そしてここに至までの行程が写真ではあっという間だけど、大変だったんだと察します。

  6. ルーフモール外すのですね。
    しかも年代によっては樹脂製とか、、、
    知識と技がないと容易に破損させちゃいそう。
    塗装屋さんがやりたがらないのも当然なんでしょうね。

  7. うーん、うちのギブリさんもスポイラー開けてみると、埃だまりでカメムシが冬眠していたりするのでしょうか。
    隙間から何か出てきてないか、今度よく調べてみよう。

Wさま へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です